1999 Fiscal Year Annual Research Report
教育委員会の「活性化」を規定する教育長のリーダーシップ特性要因の分析
Project/Area Number |
10610261
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
河野 和清 広島大学, 教育学部, 助教授 (30116579)
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Keywords | 教育長のリーダーシップ / 教育委員会の活性化 |
Research Abstract |
1)本研究は、教育委員会の「活性化」過程における教育長のリーダーシップ行動の役割や機能の解明とその有効性について検証することを目的としていた。 2)本研究の結果、次のようなことが明らかにされた。 (1)教育委員会の単独事業数を見る限り、教育委員会の活性化度と教育長のリーダーシップ行動との間には必ずしも統計的に有意な関係はない。 (2)教育委員会の会議の活発度と教育長のリーダーシップの発揮度との間には、統計的に有意な関係は認められない。 (3)教育長のリーダーシップの発揮度は、教育長の職業的出身によって差異が認められる。すなわち、教職出身者の方が、行政職出身者よりも、その職務の遂行において、よりリーダーシップを発揮していると知覚している。 (4)なお、本研究係わって、教育長のキャリア分析をしたところ、教職出身の教育長のキャリアは、教師(22歳)-社教主事(43.8歳)-指導主事(44歳)-教頭(47歳)-管理主事(48歳)-校長(53歳)-教育長(61歳)の段階を踏むことが、また、行政職出身者のキャリアは、職員(21歳)-係長(33歳)-課長補佐(39歳)-議会事務局長(47歳)-病院事務長(49歳)-部長(50歳)-教育長(55歳)の段階をそれぞれ踏むことが明らかとなった。 3)今後は、教育委員会の「活性化」を測る尺度をもっと精緻化し、教育長のリーダーシップとの関係を検討する必要がある。なお、本研究の成果は、平成12年5月に開催される西日本教育行政学会でその一部を発表する予定である。
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