2000 Fiscal Year Annual Research Report
ジョン・デューイの教育学構想と実験学校の教育実践に関する研究
Project/Area Number |
10610274
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Research Institution | Jissen Women's University |
Principal Investigator |
米澤 正雄 実践女子大学, 文学部, 教授 (20175003)
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Keywords | ジョン・デューイ / 実験学校 / ジェーン・アダムズ / アルビオン・W・スモール / シカゴ社会学派 / セツルメント事業 |
Research Abstract |
本年度は、まず第一に、筆者のこれまでの研究論文2編(ジェーン・アダムズの思想形成におけるトルストイ思想の受容に関する論文およびジェーン・アダムズのセツルメント論・事業、アルビオン・W・スモールの社会学研究・教育とデューイ哲学との関係についての論文)の英訳(下訳)を作成した。近々アメリカ合衆国の研究者のリファーを受けるべく、訳文の細部のチェックを行っているところである。 第二に、トルストイの労働論・芸術論にもとづくアダムズの「労働博物館」の試み(1900年)と対比して、デューイの教育学構想(特に、教材としての「オキュペーション」導入による実験学校での教育実践)を解明するために、その基礎作業として、1880年代から1900年代初頭までの、トルストイの論著の英訳および英語圏のトルストイ論について文献検索を行った。その結果、現在までのところ、アダムズの思想形成に深くかかわりのある、トルストイの宗教論の英訳2種類(My ReligionおよびWhat I Believe、ともに初版は1885年)、および、トルストイの『芸術とは何か』の英訳初版(1898年、London:Brotherhood Pub.Co.)を参照することができた。現在、『懺悔』以降のトルストイ論著の英訳の流れを視野に入れつつ、アダムズの思想形成を鋭意検討中である。この課題について見通しを得次第、アダムズの労働博物館の試みおよびスモールの社会学研究の教育とのかかわりにおいて、デューイの教育学構想の成立過程の解明に取り組む予定である。
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