1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10610280
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Research Institution | Wako University |
Principal Investigator |
小林 文人 和光大学, 人間関係学部, 教授 (20014681)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
末本 誠 神戸大学, 発達科学部, 教授 (80162840)
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Keywords | 集落公民館 / 与那国 / 地域史 / 那覇市 / 山原(やんばる)地区 |
Research Abstract |
前年度の研究活動を継続するかたちで、旧琉球政府・アメリカ民政府時代の社会教育関係資料を補足的に収集し、また最近の市町村史及び沖縄独自の集落史(字誌)等の記録・刊行物のうち、とくに社会教育・文化に関する資料を調査収集してきた。本年度はとくに沖縄社会教育の地域的基盤としての集落(ないしその連合体としての地域組織)レベルの社会教育・公民館活動について実証的な調査を重ねてきた。 具体的には、(1)離島・与那国の三集落(祖納、久部良、比川)、(2)山原(やんばる)地区の基地問題をかかえる辺野古区等、(3)都市部・那覇市の石嶺地区、の三地点についてのインテンシブな地域実態調査をおこなった。調査分析の視点は、地域それ自体に内在的なインフォーマルな人間形成的機能、集落の伝統的な文化・芸能や集落行事にみられるノンフォーマルな教育的機能、それらの複合的な展開過程としての集落公民館活動、さらにこれらとフォーマルな公的社会教育・中央公民館事業や学校教育とのダイナミックな関係ならびにその変容過程、を明らかにしていくことであった。 それぞれの地域調査のなかから、集落固有の歴史や多様な地域活動とともに、そこにある程度共通する沖縄的な集落の共同と地域社会教育の独自な展開が析出されてきている。沖縄的な独自の機能とその特質をさらに詳細に解明していくことが次年度の課題である。 今年度の報告書「沖縄社会教育の地域史研究」第2集を作成し、あわせて昨年度に引き続きTOAFAEC(東京・沖縄・東アジア社会教育研究会)編『東アジア社会教育研究』第4集(1999年9月)に末本誠等による「集落公民館研究」を報告した。
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[Publications] 末本誠,小林平造,上野景三: "「沖縄の集落公民館研究についての覚え書き」"TOAFAEC編『東アジア社会教育研究』. 第4号. 131-144 (1999)
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[Publications] 小林文人(編): "「沖縄社会教育の地域史研究」第2集"1-55 (2000)