1998 Fiscal Year Annual Research Report
琉球島嶼社会における漁民社会の民俗変化と女性の役割
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10610298
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Research Institution | Daito Bunka University |
Principal Investigator |
高桑 守 大東文化大学, 国際関係学部, 教授 (60127769)
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Keywords | 非系満系漁民社会 / 漁民社会の民俗形成 / 漁民社会における女性の役割 / 女性をめぐる俗信 / 漁家における職業分化 / 漁民家族の社会的基盤 |
Research Abstract |
本研究は日本の漁民社会の民俗形成ならびに民俗変化に女性の社会的・経済的・信仰的役割が大きく関与し、このことが農民社会と比べて漁民社会の民俗の著しい特性を構築している点を、沖縄の非糸満系漁民社会を調査し分析することにより、検証することを目的としている。そのため、沖縄の以下の4地区を調査地として選定した。1)宮古郡伊良部佐良浜地区 2)石垣市大浜地区 3)国頭郡本部町渡久地地区 4)中頭郡勝連町比嘉。 本年度は本研究計画3年間の初年度にあたるため、98年7月から9月にかけて、4地区それぞれについて、各1週間から2週間前後の基礎的調査を実施した。〈調査期間〉・佐良浜地区(7月18日〜7月30日)・大浜地区(8月4日〜8月17日)・渡久地地区(8月24日〜9月7日)・比嘉(9月13日〜9月20日)〈調査内容〉当該地区の漁業構成・漁業の変遷。漁民家族の経済的・社会的基盤(漁家家計の実態。漁家における家族成員間の職業分化。漁家における夫の生産行動と妻の消費・商行動。漁夫の漁撈活動に対する妻の現実的・心理的関与。漁家における妻の社会参加の実態)。女性をめぐる漁業関係俗信・信仰。これらの項目について漁協資料、役場資料、ならびにサンプリングした漁民家族の生活史的・家族誌的調査を通して資料を収集した。これらのデータについては目下整理中であるが、家族誌調査を通して漁民の妻の日常行動のネットワークの状況が微視的側面までも明らかにできた。次年度以降はデータの計数的処理をコンピュータを利用して進めることと、生活に即した女性の行動を微視的に分析する手段として映像による記録を生活史・家族誌調査を深化させることと併行して作成することを目指したい。また、インテンシヴに調査を行うため、本年度の調査を踏まえ、調査地を2地域(佐良浜・大浜)に限定して実施したい。
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