1999 Fiscal Year Annual Research Report
琉球島嶼社会における漁民社会の民俗変化と女性の役割
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10610298
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Research Institution | Daito Bunka University |
Principal Investigator |
高桑 守 大東文化大学, 国際関係学部, 教授 (60127769)
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Keywords | 非糸満系漁民 / 漁民の妻 / 女性の社会的参加 / 漁家経済に果たす女性の役割 / 漁民社会の民俗変容 / 漁民の信仰・俗信 / 漁民家族の生活構造 |
Research Abstract |
本年度は本研究の2年目に当り、昨年度実施した予備的調査を踏まえ、沖縄県における宮古郡伊良部町佐良浜地区(99年8月26日〜99年8月29日)ならびに石垣市大浜地区(99年9月1日〜99年9月13日、2000年1月26日〜2月3日)の2ヶ所の非糸満系漁民社会において調査を実施した。調査内容については両地区とも漁民社会における女性の役割が漁民社会の変容過程と対応して、どのような変化をもたらすのかをテーマに漁民の妻の社会的参加、経済(漁家経済)の管理、漁業の変容、漁民信仰、俗信における女性への関心度などを漁民の数家族をサンプリングしこれへのインタヴューを通して調査した。結果両地区とも、寄合や共同労働などへの女性の参加比率は農民などに比して著るしく高く、男性にかわって女性が地域社会の広範囲にわたって社会参加しており、漁民社会の特徴の一つを構成することがわかった。漁家経済においても漁民の妻の管理が徹底されており、管理能力次第で漁家の経済に大きな隔差が発現し、漁民の漁獲能力と共に、漁家経済における女性の参加の大きさを確認するに到った。さらに信仰・俗信の世界においても、上記の女性の社会的・経済的背景を反映し、漁撈活動における種々のタブーが女性とかかわって確認された。
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