2000 Fiscal Year Annual Research Report
琉球島嶼社会における漁民社会の民俗変化と女性の役割
Project/Area Number |
10610298
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Research Institution | Daito-Bunka University |
Principal Investigator |
高桑 守 大東文化大学, 国際関係学部, 教授 (60127769)
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Keywords | 非糸満系漁民 / 漁民の妻 / 女性の社会的参加 / 漁民の信仰、俗信 / 漁民社会の民俗変容 / 漁家経済と市場(マチグロー) / 漁民社会の年中行事 / 漁民社会の人生儀礼 |
Research Abstract |
本年度は本研究の最終年度(3年目)に当り、一年目および二年目に実施してきた調査を踏まえ、沖縄県石垣市大浜地区に関する調査を中心にすえ、聞書きならびに文献資料の収集を実施した(8月19日〜8月29日)。調査内容については昨年度より続けてきている漁民社会における女性の役割が漁民社会の変容過程と対応して、如何なる変化をきたすのかをテーマとして、漁民の妻の社会参加、漁家経済の管理、市場(マチグロー)への参加状況、漁業の概要ならびに変化、漁民信仰や俗信における女性への関心度などを、数家族のサンプリング調査を中心に展開した。とりわけ今年度は地区の年中行事や人生儀礼の中で果されてきた女性の役割について、また市場への関与状況についてインタヴューなどを通して調査し検討してきた。 本年3月末には、大浜地区ならびに宮古郡佐良浜地区を中心に漁業の概況とそれに関わる人々の暮らしの実態について報告書を作成し、成果を公表するべく作業をすすめている。総括的には沖縄における非糸満系漁民社会にあっても、漁民の漁撈活動の上で、女性の精神的影響が大きく作用し、魚の販売面にも女性が中心にかかわり、魚を獲ることと売ることの双方に女性の関与が存在し、この点が農民社会と比較する時、漁民社会の特質を構成しているということが指摘できる。
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