1998 Fiscal Year Annual Research Report
豊臣・徳川初期における検地帳の蒐集およびその刊行-北九州地方の場合-
Project/Area Number |
10610337
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
外園 豊基 早稲田大学, 教育学部, 教授 (60099653)
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Keywords | 検地 / 失人 / 一揆 / 豊臣秀吉 / 徳川家康 / 朝鮮侵略 |
Research Abstract |
本研究は、中・近世移行期の解明を主たる目的とするものである。しかし、これは大きな課題であるので、そのなかの一研究として検地の諸相を明らかにすることを第一義とする。そのために検地帳を収集し、それを刊行することによって学会の共有財産といたしたい。 もとより検地帳が在地の状況を必ずしも完全に捉えたものとは言い難く、村や町の実態をそのままあらわしているのではないことは周知のことである。しかしまた検地が、ときの政権の政策基調の反映であることも確かである。 本研究は西日本を主たる研究対象とするが、今年度は豊後国に限定して行い、全ての検地帳の収集を行うことを第一義とした。 まず、当該期における検地帳の所在調査を行った。そのために刊本はもちろん影写本・写真帳などの検索を行った。とくに自治体史の検索を重点的に行った。あわせて、大分県立先哲史料館所蔵の渡辺文庫の検地帳についての悉皆調査をおこなった。渡辺文庫には学界未公開の検地帳が多く、とくに16世紀末期・17世紀初頭の豊後国の農村が荒廃していたことは、多くの「失人」の記載からもうかがうことが出来た。 来年度は、この「失人」の続出などの原因を解明するとともに、豊前国など他の国々へも視野を広げたい。
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