1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10610351
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
石田 肇 群馬大学, 教育学部, 教授 (80125822)
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Keywords | 近代日中関係史 / 黎庶昌 / 藤野海南 / 傅雲龍 / 日本金石志 / 陳矩 / 墓誌 / 羅振玉 |
Research Abstract |
本年度は前年度に引き続き黎庶昌と彼の周辺の人々について調査を続け、一方、9月には黎庶昌の郷里である貴州省の遵義を訪ね故居と墓を見学し、遵義と貴陽で関係者と会い、知見を得ることができ、関係者によると私は墓を訪ねた最初の日本人との由であった。 論文としては「藤野海南と黎庶昌」を発表したが、「近代日中墓誌の比較-藤野海南墓誌と趙曼娟夫人墓誌-」、「傅雲龍の『日本金石志』と陳矩」、「藤野真子と陳矩」を近く活字化する予定である。また貴陽で再調査することのできた『拙尊園存書目』については「『拙尊園存書目』-黎庶昌の蔵書目録-」を書き、近日中に群馬大学の紀要に掲載される予定であり、また「黎庶昌の蔵書について」も活字化する予定である。尚、貴州の調査報告として「遵義に黎庶昌の故居と墓を訪ねて」(『東方』228号)を書き、一般向けに「黎庶昌と伊香保」(徳富蘆花記念館館報『不如帰通信』8号)を書いた。一方、羅振玉に関しては「昭和十三年の羅振玉所蔵書画.展をめぐって」を活字化する予定である。 近年、明治時代の日中関係史が日中両国で関心をもたれるようになり、関係文献の出版が盛んである。それらの収集に努めるとともに、各図書館の蔵書を精査しつつあるが、来年度にあっては宮島誠一郎と黎庶昌の関係を中心に考究することにしたい。
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