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1999 Fiscal Year Annual Research Report

宋代の宗族と地域社会に関する基礎的研究

Research Project

Project/Area Number 10610360
Research InstitutionTokai University

Principal Investigator

小林 義廣  東海大学, 文学部, 教授 (10170367)

Keywords宗族 / 士大夫 / 宋代 / 族産
Research Abstract

中国独特の親族組織(kinship organization)である宗族(lineage)は、10世紀つまり宋代に入って、新たな展開を見せたといわれ、その新しい時代における宗族の特色として、意識的なそれの組織化が挙げられてきた。そしてその組織化の徴表として、80年代以降の研究においては、祠堂(祖先祭祀施設)・族産(一族共有の財産)・族譜(一族の系譜を中心とした一族に関する記録)を指摘することが研究者の共通理解になってきている。そして、興味深いのは、それらの徴表が11世紀半ばに相次いで出現したことであろう。ところで、宋代以降の族譜(「近世譜」)の模範となったのは四川主身の蘇洵と江西出身の欧陽脩の族譜といわれる。本研究課題は宋代の江西と福建の宗族に関する基礎的な考察を進めるところにあるが、昨年度は、「近世譜」の基礎を築いた一人の欧陽脩に焦点をあて、彼がどのような意図から自己の族譜を編纂しようとしたのかを中心にして検討を加えた。彼は、人生の後半時期になって、知己や肉親の死に遭遇し、また彼自身の政治的不遇や病魔に遭うことによって、自分を内面から支える思想を求める思索過程の中で悠久の血の繋がりの結果としての宗族に行き当たったのであり、それが自己の一族の族譜を編纂する大きな動機となった。しかし、族譜編纂の動きは、11世紀半ばの士大夫たちの自己探しの動きに連動していて、彼の営為と主張は受け入れられ、彼の族譜を模範とする族譜編纂の社会的動きとなっていった。本年度は、福建、とくに福州を中心として、宋代において宗族の活動がどのようになされていたのかを精力的に史料的検討を行うとともに、従前の宋代宗族制度研究を検討しつつ、宗族制度を宋代の地域社会にどのように位置づけてゆくかを考察してきた。前者はまだ史料的検討の段階で具体的な成果をみるまでに少し時間がかかるが、後者の研究史的整理は現在、原稿を用意しつつあり、2000年度内には活字として公表できると思われる。

  • Research Products

    (1 results)

All Other

All Publications (1 results)

  • [Publications] 小林義廣: "北宋仁宗朝における女寵と後嗣問題--欧陽脩の『五代史記』との関連の下に--"名古屋大学東洋史研究報告. 24. (2000)

URL: 

Published: 2001-10-23   Modified: 2016-04-21  

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