1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10610361
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
吉田 順一 早稲田大学, 文学部, 教授 (70063716)
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Keywords | 内モンゴル / フルンボイル(呼倫貝爾) / 牧畜 / 牧畜調査 |
Research Abstract |
昨年度同様、研究課題関連和文文献を、国内外の図書館・古書店から収集した。そして中国内蒙古図書館、遼寧省档案館などに収蔵されている若干の関連文献を収集し、データベースに登録した。また中国文の貴重ないくつかの資料を入手できた。 これまで調査・収集してきた文献と今年度収集した文献にに基づき、基礎的研究として、明治末から昭和20年までの間、中国内蒙古自治区フルンボイル(呼倫貝爾)盟のステップに対して実施した牧畜調査を中心にした日本人の調査を跡付け論文化した。これは、同地に関する日本人の調査と成果を本格的な跡付けた最初の論文であり、従来知られなかった調査についても触れている。この論文をまとめた意図は、私のこれまでの内蒙古の牧畜調査の過程で、今も内蒙古において比較的牧畜がさかんに行われているこの地域を、最もよく調査してきたことと、第二次大戦前、日本人が内蒙古の中でこの地域の牧畜を最もよく調査し、報告書も多く出されているので、これらの文献によって第二次大戦前の呼倫貝爾地方の牧畜を分析し、第二次大戦後の呼倫貝爾の牧畜に関する私や中国側研究者が多少行った実態調査の成果とを比較対照して、この地域の近現代の牧畜の変化の情況を明らかにする基礎作業を行うというものである。 また内蒙古とモンゴル国において、社会主義政権下で協同組合が組織されてから行われた品種改良等の伝統的牧畜に対する改革とそれがモンゴルの牧畜に与えた影響およびその後1980年、1990年ころに、内蒙古自治区及びモンゴル国で相次いだ協同組合解体の結果、内蒙古自治区及びモンゴル国の一部地域で生じた伝統的牧畜への回帰の問題を分析し、3月18日に韓国のソウル市で開催された「韓蒙国際学術大会」で講演した。これも内蒙古の牧畜調査のこれまでの成果に基づく部分が相当にある。
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