1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10610374
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
北村 昌史 新潟大学, 教育人間科学部, 助教授 (20242993)
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Keywords | ドイツ / 住宅問題 / 郊外 / 都市化 / ベルリン / 社会国家 / 第2帝政 / 住宅問題 |
Research Abstract |
本年度は、現在着手しつつある1870年前後のベルリンにおける郊外住宅運動に関する準備作業をおこなった。とくにベルリン南西部に位置する、中間層のための郊外住宅地であるLichterfeldeに焦点を当て研究を進めている。そのため9月にドイツ本国に赴き、ベルリン・フンボルト大学のケルブレ教授とミュンスター大学のトイテベルク教授から、当該テーマや19世紀ドイツ社会史研究についてレヴューをうけた。関連文献やドイツにおける研究状況に関する情報をえ、とくにベルリンの文書館において史料調査をおこなう必要性を指摘された。 さらに、Lichterfelde以外にも存在したいくつかの郊外都市にも視野を拡げるように示唆された.そうしたレヴューをうけ、現在先行研究の検討や、関連史料の収集に努めているところであり、研究の本格的な展開は来年度以降におこなう予定である。史料の収集にはドイツの第2帝政期(1871〜1918)の社会経済史関係文献を豊富に所蔵している京都大学経済学部図書館を最大限に利用し、当該時期の住宅問題に関する史料を体系的かつ網羅的に収集しつつある。ただ、史料の立ち入った検討については今後の課題である。また、ケルブレ教授とトイテベルク教授とのレヴューをうけることで、住宅問題の処理を主に担っていくことになる都市の行政・権力構造についての研究の必要性を痛感するにいたった。現在、近代的な都市行政機構をベルリンに導入することになった1808年の都市条例およびそのベルリンにおける展開についても検討を進め、このテーマについては現在論文を準備中である。
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