2000 Fiscal Year Annual Research Report
古代ローマ史・初代キリスト教史研究におけるパソコン利用の試行的研究
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10610382
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Research Institution | Sophia University |
Principal Investigator |
豊田 浩志 上智大学, 文学部, 教授 (20112162)
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Keywords | 古代ローマ / 初代キリスト教 / パソコン / データ・ベース / 碑文 |
Research Abstract |
1)本年度の目標は、Hrsg.von E.Diehl,Inscriptiones Latinae Christianae Ueteres,4vols.,Dublin/Zurich,1970のデータベース完成にあった。作業手順としては、まずスキャナでデジタル画像にする。それをOCRソフト(Omni Page)によってワード文書に変換・修正する。 データベースとして至便で有効なのは、全文検索が可能なシンプルテキスト化であるが、今回直面した困難は、ギリシア語、アクサンやウムラウトの処理のほかに、碑文や石棺に刻まれている記号・象徴をどう処理するか、であった。これについてはとりあえず略号を付して原文を参照することとせざるを得なかった。こうして、かなりの手間を要したため、今年度の成果としてようやく最初の2巻のデジタル化を行うことができただけであった。残りは来年度の作業に先送りせざるをえなかった。 2)これまでデジタル化していた文書、とりわけ、Liber Pontificalisの翻訳作業を継続中である。 3)イタリアにおける古代遺跡・文化財・博物館展示物等の画像・動画データを入手した。また、周辺機器の充実で、それのCD=ROM化による保存と配布が容易に可能となった。こういったヴィジュアルな素材も簡単にデジタル化でき、文書史料と並んで利用可能なことは、従来の研究・教育では及びもつかない効果を発揮するはずである。
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