• Search Research Projects
  • Search Researchers
  • How to Use
  1. Back to project page

1998 Fiscal Year Annual Research Report

中・近世南ドイツの職人組合と職人運動

Research Project

Project/Area Number 10610383
Research InstitutionShowa Women's University

Principal Investigator

佐久間 弘展  昭和女子大学, 文学部, 助教授 (00260919)

Keywords職人組合 / 遍歴強制 / シェンク手工業 / 職幹施 / 職人宿
Research Abstract

今年度は中・近畿職人の遍歴データの収集を中心に研究を行った。第一の成果は、遍歴の範囲についてである。アウクスブルクからみた来歴の職人は、南ドイツを中心にオーストリア、スイスに広がり、最北の出身地はザクセン、シュレージエンである。予想以上の中部東ドイツ出身者が多いのは、当時の商業路の一大幹線があったこと、そして経済地域として南ドイツと東ドイツとが鉱山業などを媒介に密接に絡まっていたからである。遍歴の範囲と頻度は、16〜18世紀に時代とともに広まり・強まりを見せている。来年度はニュルンベルクのより膨大なデータを取り込みたい。
第二の成果は、シェンク手工業についてである。シェンク手工業は遍歴職人に路銀や酒を与えるだけではなく、裁判権を行使して最も親方の同職組合と対抗する職人団体である。職人は、職人宿を設けそこで職の斡旋をする。職人団体が力をもつのは、職人たちが労働力の供給と分配を行うからである。しかも、その方法として求人板という合理的な方式も編み出している。第三の成果は、遍歴強制についてである。遍歴強制が手工業法で規定されてくるのは、ようやく16世紀後半からである。これまでの研究はこれを中世後期にみていたが、それは誤りである。遍歴強制設定の理由は、経済状況の悪化であり、人減らしの方策としてとられたのである。
これらの成果をふまえ、来年度は職人組合の存在・機能形態を中心に研究を進める計画である。

URL: 

Published: 1999-12-11   Modified: 2016-04-21  

Information User Guide FAQ News Terms of Use Attribution of KAKENHI

Powered by NII kakenhi