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1998 Fiscal Year Annual Research Report

共和政後期におけるローマの小アジア支配について

Research Project

Project/Area Number 10610387
Research InstitutionNagoya College

Principal Investigator

田村 孝  名古屋短期大学, 現代教養学科, 教授 (80179902)

Keywordsミトリダテス戦争 / 共和政ローマ / ポントス王国
Research Abstract

平成10年度は、,The Journal of Roman StudiesのバックナンバーおよびSupplementum Epigraphicum Graecum の既刊分を相当数購入することができたので、まず前者において創刊時から現在までのすべてを調査・点検し、共和政後期のローマによる対外支配(とくに小アジア・ギリシア)に関係のある論文を読み、関連する史料(Livius,Appianus,Plutarchusなど)をも読み解くことができた。
その際、とくに前89年から小アジアで戦われたミトリダテス戦争に関連して、いわゆる「ローマの支配」とはいったいどのようなものであったかを、経済(財政)的・政治的な側面から明らかにすることを今年度の課題とした。従来説によれば、属州アジア成立後の小アジアにおいては、商業・交易および農業で生み出された富が徴税請負人の手をへてローマに送られることで経済的に共和政ローマの繁栄を支え、そのようなシステムを維持するために総督をはじめとするローマ人による支配は苛烈であり,エフェソス・ミレトスなどギリシア系都市国家の市民や内陸部の村落共同体の住民の不満は高まっていたとされる。しかし近年、そのような収奪はけっして前1世紀前半までには確立しておらず、また政治的にも小アジアの住民は必ずしもローマの支配下にあったとはいえない、とする新しい説がとなえられている。したがって、ローマの勢力が東地中海世界に拡大していく歴史的過程やそこにおける住民の抵抗を調べるにあたって、ローマと小アジアとの経済的・政治的関係を根本的に洗い直さなければならない。
今年度の研究は基本的に上述の課題に沿ったものである。

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Published: 1999-12-11   Modified: 2016-04-21  

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