2001 Fiscal Year Annual Research Report
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10610393
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| Research Institution | KYOTO UNIVERSITY |
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Principal Investigator |
清水 芳裕 京都大学, 文学研究科, 助教授 (90127093)
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| Keywords | 胎土 / 混和材 / 鋳造鋳型 / 黒陶 |
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| Research Abstract |
1 窯業製品の材質の復元については、おもに以下の3点の成果を得た。
(1)長野県川原田遺跡の縄文土器の分析から、黒雲母と阿玉台式土器など、添加された混和材の種類が土器型式と密接に関係したものがある点を明らかにした。
(2)石川県真脇遺跡の縄文土器の砂の混和率を求めた結果、蓋などに砂を添加しない精良な土器があり、それは機能と関係しているとともに晩期に顕著にみられることを示した。
(3)群馬県藤岡市猿田II遺跡と本郷窯跡群の埴輪に加わる砂の種類には違いがあり、周辺の古墳出土の埴輪との関係を検討する要素を明らかにした。成果の一部は国立歴史民俗博物館での研究会において発表した。
(4)福岡県太宰府市および大分県豊後高田市などで出土した、中世の梵鐘鋳造の鋳型の材質を調査し、溶融金属からの加熱、製品の表面の仕上がりなどに対応して、3種類の材料を使い分けがあることを示し、金属の溶解炉については表面の溶融状態から、1200〜1300℃の加熱を受けたことを推定した。
2 土器製作技術については、中国遼寧省四平山遺跡の黒陶の材質について、X線マイクロアナライザー分析による胎土中の含有元素を分析し、表面の黒色を示す部分と炭素濃度との関係を検討し、光沢をもつ黒色は特殊な粘土や油脂成分を塗布して着色したものでもなく、還元雰囲気の中で焼成されて炭素の吸着によって生じたことを明らかにした。
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