2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10610399
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Research Institution | Kyoto National Museum |
Principal Investigator |
難波 洋三 独立行政法人国立博物館京都国立博物館, 考古室長 (70189223)
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Keywords | 銅鐸 / 同笵 |
Research Abstract |
今年度は、福井県井向1号鐸、愛知県八王子鐸、伝滋賀県出土鐸、香川県古川鐸、兵庫県気比1・2・3・4号鐸、大阪府恩智垣内山鐸、三重県神戸鐸、兵庫県倭文鐸、滋賀県山面2号鐸・伝香川県出土鐸、香川県大麻山鐸、福井県伊夜山鐸、伝豊橋市出土鐸などについて、調査を実施し、引け・湯廻り不良部・欠孔などの鋳造欠陥や、笵傷・鋳型の補修痕・鋳掛け・補刻などの詳細な観察を行い、写真撮影・ビデオ撮影・採拓・計測などの方法で資料化した。これらの銅鐸の中でも、兵庫県気比出土の4個は保存状態が極めて良好で、鋳造技術に関係する情報を多く得ることができた。また、大阪府茨木市東奈良遺跡を拠点として活動した工人集団の製品である外縁付鈕2式縦型流水文銅鐸の、大阪府恩智垣内山鐸、三重県神戸鐸、兵庫県倭文鐸(以上は互いに同笵)、兵庫県気比3号鐸と、同時期に中河内付近を拠点として活動した工人集団の製品である外縁付鈕2式横型流水文銅鐸の兵庫県気比1・2・4号鐸、香川県古川鐸を比較観察することによって、同時期の製品でありながら、横型流水文銅鐸には鋳掛けや補刻が多用されているのに対し、縦型流水文銅鐸には鋳掛けかほとんどなく、補刻も確認できないなどの差があること、後者は文様や形態のみならず、これらの点についても外縁付鈕1式の伝統を強く残していることが明らかになった。
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Research Products
(1 results)