1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10610404
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Research Institution | Paleological Association of Japan Inc. |
Principal Investigator |
堀内 明博 財団法人古代學協會, 古代学研究所, 助教授 (70291903)
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Keywords | 平安京 / 儀礼 / 住空間 |
Research Abstract |
平安宮の官衙配置についての最近の成果は、古代学協会編の『平安京提要』や京都市埋蔵文化財研究所調査報告『平安宮I』に網羅されている。しかし、これらに収録された殿舎配置について種々の相異点がある。その為、従来の調査成果の収集のみならずその相異点を生み出した背景についても検討する作業も行った。 今回朝堂院の殿舎配置について注目した調査に平成8年のものがある。この調査は暉章堂、明礼堂、朝堂院東回廊、太政官西限間の立会い調査であったが、基壇位置や官衙区画を確定できる正確な座標データが得られた。その結果、朝堂院中軸と暉章堂間が5.6丈であったものが5.3丈、明礼堂東端と朝堂院東回廊心までが4丈から4.7丈となり、朝堂院中軸から回廊心までが32丈としていたのが32丈6尺と6尺分広い可能性がでてきた。また朝空浣の龍尾壇から南回廊心までの南北間84については問題ないが、龍尾壇と昌福堂北端間が7.3丈と同じであるが、明礼堂南端から南回廊心までが6.4丈から5.9丈であった可能性もでてきた。これについては、暉章堂北端の検出により、従来北端と考えられていた修式堂凝灰岩外装施設が階段張り出しである可能性や殿舎規模の相異から生じたものである。検出された基壇施設や官衙区画施設の遺構の時期が問題となるが、遺構群の中には改築された可能性があるものが一部認められることから、次年度に更なる検討が必要である。 次いで旧地形の復元のための基礎作業として、現地形の復元作業を開始した。まず京都市が管理する500分の1現況図の平安官相当範屈をコンピュータに入力する作業を一応終了した。次いでその図に記入されている標高を示すデータのX.Y.Zの3座標を読み取り、コンピュータ上に入力する作業を開始している。これらの入力作業が終了次第オートキャドのソフトを使用し、3次元による地形復元作業に移る計画である。
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