2000 Fiscal Year Annual Research Report
地方古文書・古記録資料からする日本語史研究の再評価
Project/Area Number |
10610410
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Research Institution | KYUSHU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
迫野 虔徳 九州大学, 人文科学研究院, 教授 (60039972)
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Keywords | 古文書 / 古記録 / 日暮芥草 |
Research Abstract |
本年度は、最終年度で、前年度に続いて記録、文書類の調査をすすめると同時に、報告書に向けての整理に力を割いた。記録類としては、対馬方言を記録した日暮芥草を入手、読解をすすめた。朝鮮資料の『倭語類解』、『交隣須知』等の成立年代に近く、朝鮮資料をあらたに見直す有力な手がかりになると思われる。『倭語類解』、『交隣須知』に見られる特殊な語形が、対馬方言として数多く書き記されている。ほぼ同じ頃の記録であるだけに価値が高い。 古文書類は、東寺百合文書、高野山文書などの近畿圏の文書も調査、以前から懸案であった仮名文字の機能的使い分けについて、一定の見通しが得られたように思う。このことは、音韻史の見直しに通ずると思われ、引き続き考察していくつもりである。促音に関する仮名文字用法については、論文のかたちにとりまとめ、いま印刷中である。(『筑紫語学論叢』風間書房)
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 迫野虔徳: "九州方言の動詞の活用"語文研究. 85号. 72-82 (1999)
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[Publications] 迫野虔徳: "たそがれ"学士会会報. 829号. 110-114 (2000)
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[Publications] 迫野虔徳: "文献方言史研究"清文堂出版株式会社. 404 (1998)
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[Publications] 迫野虔徳: "筑紫語学論集「古文書・古記録の促音表記」"迫野虔徳編集・風間書房(近刊)(in press). (2001)