1998 Fiscal Year Annual Research Report
日本語形容詞語彙年表作成とその資料・語彙分析における活用法に関する基礎的研究
Project/Area Number |
10610414
|
Research Institution | Ferris University |
Principal Investigator |
安部 清哉 フェリス女学院大学, 文学部, 教授 (80184216)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
春木 良且 フェリス女子学院大学, 国際交流学部, 助教授 (80277954)
|
Keywords | 日本語学 / 形容詞 / 語彙史 / 計量国語学 / データベース / 国語辞典 / 語彙年表 |
Research Abstract |
1、 [語形単位基準策定]古典形容詞研究のための、語形単位の統一基準を作業仮説的なものとして定めた。 2、 [語形一覧作成]以下の各時代の辞書・文学作品から形容詞見出し語形を抽出した(◎印は点検終了)。 (1) ◎『日葡辞書』、◎『和英語林集成』初版再版三版、◎『言海』、◎『日本大辞書』 (2) 『江戸語大辞典』『江戸語辞典』『近世上方語辞典』 (3) (ア〜シまで終了、作業継続中)『書言字考節用集』 『合類節用集』 『恵空本節用集大全』(4) 作家用語索引『森鴎外』 『夏目漱石』 『芥川龍之介』 3、 [語彙表の計量的分析] 八代集の形容詞語彙表をサンプルとして、下記のような計量的研究を行った。その結果、八つの歌集の中で共通して使われる度合いが高い語ほど、使用頻度が高く、また、古い語が多いことが明確になった。理論的には知られているが、平安のデータで具体的に提示した研究ではこれが最初になる。この分析方法は、他のデータにも応用できることが明らかにできた。また、『新古今集』の形容詞は、90%以上が八作品共通語で占められ、和歌特有形容詞が固定しているなど、作品ごとの特徴が明らかにできた。 (1)八作品共通語(七〜二作品共通語)の抽出(2)作品固有語の抽出(3)八〜一作品共通語と使用頻度の相関グラフ作成(4)八〜一作品共通語と上代語・中古語の相関グラフ作成(5)同様に、各共通語とク・シク活用との相関(6)上記各々の延べ語数と異なり語数での相違ほか 4、 [シソーラス作成] 平安時代の形容詞による、「古典形容詞シソーラス」の作成(点検中)。 5、 [用例数再点検] 上記基準に従い八代集・平安作品の用例数を原文によって再度集計(平成11年まで継続) 6、 [中世前期14作品の形容詞語彙表作成] 各索引によって集計し(1次集計)入力済み。点検は平成11年度。
|
Research Products
(1 results)