1998 Fiscal Year Annual Research Report
「全国方言談話資料データベース」に基づく方言文法の研究と検証調査
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10610417
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Research Institution | The National Institute for Japanese Language |
Principal Investigator |
井上 文子 国立国語研究所, 情報資料研究部, 主任研究官 (90263186)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
真田 信治 大阪大学, 文学部, 教授 (00099912)
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Keywords | 方言文法 / 談話テキスト / 方言コード / 社会言語学 |
Research Abstract |
「全国方言談話資料データベース」の音声・文字化データを対象として、本年度は、そのうちの大阪府での5地点(大阪市・高槻市・八尾市山畑・河内長野市滝畑・泉佐野市新町)での談話テキスト(各約10時間分の談話資料)に出現する方言コードを検索抽出し、計量的な処理を施した。現地での確認、検証、また、若年層のいわゆるネオ方言コードとの対比も行った。 若年層のネオ方言に関しては、分担者の真田が、関西圏・若年層談話文字化データ集を作成した。なお別途、「全国方言談話資料データベース」で欠けている方言重要地点のひとつ、長崎県・対馬厳原町の方言談話資料を作成している。この資料は、来年度、データ集として刊行する予定である。 本年度具体的に焦点をあてたジャンルは、「待遇表現」「アスペクト表現」「仮定表現」「可能表現」「否定表現」、および「アクセント」である。それぞれのジャンルにおけるテキストでの現れの一端が明らかになった。たとえば、<はなしあい>と<かたり>、<けんか>など、テキストの形態の違いとそれぞれの形式の現れの違いなどの検討が今後の課題となる。いずれにしても、方言コードの運用をテキストの形態とのかかわりにおいて分析した研究はいままで皆無であり、新しい方言研究の展望が開けそうである。 分析結果は来年度中にまとめ、刊行の予定である。
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