1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10610430
|
Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
森 正人 熊本大学, 文学部, 教授 (10106065)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堀畑 正臣 熊本大学, 教育学部, 助教授 (60253704)
小川 剛生 熊本大学, 文学部, 講師 (30295117)
櫻井 陽子 熊本大学, 教育学部, 助教授 (60211934)
春田 直紀 熊本大学, 教育学部, 助教授 (80295112)
坂口 至 熊本大学, 文学部, 助教授 (10136799)
|
Keywords | 伏見宮家 / 学芸 / 享受 / 創造 / 看聞日記 / 後崇光院 |
Research Abstract |
本研究は、伏見宮家の学芸の場の性質を明らかにするために、看聞日記の解読を行い、日記に記述されている儀礼・有職、芸能、和歌・連歌、物語類、人名・地名について関連資料をも用いて調査し、あわせて中世語資料としての分析を行った。その結果、次のような成果を得た。 1、看聞日記の応永三十年の一ヵ年分の注釈作業を完了した。 2、伏見宮家文化圏の構成員について、当主貞成親王とその家族・親族・家臣との関係、家臣たちの役割、および上皇や将軍家との交流を把握することができた。 3、応永三十年を中心とする年中行事、月次行事に解説を付して展開表を作成した。 4、古典の享受とりわけ源氏物語、平家物語の享受の具体相が明らかになった。 5、連歌の場の具体相が明らかになった。 6、中世日記の表現の特色、中世文章語の性質が明らかになった。 7、看聞日記の応永三十年分の人名索引、看聞日記全体の典籍文書等索引を作成した。 以上により、伏見宮文化圏の学芸活動の具体相を明らかにするとともに、室町公家文化の研究の足場を築くことができた。
|
Research Products
(28 results)
-
[Publications] 森 正人: "物語の主人公と読者-十三歳の継子の姫君"くまもと国語研究紀要. 第32号. 125-155 (1998)
-
[Publications] 森 正人: "聖なる毒蛇/罪ある観音-鷹取救済譚考-"国語と国文学. 76・12. 26-39 (1999)
-
[Publications] 森 正人: "見えないものを名指す霊鬼の説話"論集平安文学. 第5集. (2000)
-
[Publications] 森 正人: "紫式部集の物の気表現"中古文学. 第65号. (2000)
-
[Publications] 堀畑 正臣: "「因縁」追考"国語国文 研究と教育. 第37号. 3-16 (1999)
-
[Publications] 堀畑 正臣: "「被成(なさる)」の系譜"訓点語と訓点資料. 第102輯. 93-113 (1999)
-
[Publications] 堀畑 正臣: "「被成(なさる)」の展開"奥村三雄博士退官記念号. (2002)
-
[Publications] 櫻井 陽子: "『平家物語』における「武士」"富士フェニックス論叢. 特別号. 145-158 (1998)
-
[Publications] 櫻井 陽子: "平家物語における和歌の解釈-源頼政の和歌を中心に"『和歌 解釈のパラダイム』. 315-335 (1998)
-
[Publications] 櫻井 陽子: "「紅旗征戒、非吾事」再考"明日記研究. 第4号. 114-124 (1999)
-
[Publications] 櫻井 陽子: "長門本平家物語における和歌の摂取"『長門本平家物語の総合的研究 論文篇』. (2000)
-
[Publications] 櫻井 陽子: "平家物語の終結様式における断絶平家型の位置"軍記と語りもの.
-
[Publications] 安倍 素子: "『うつほ物語』の「絵解」について(二)"尚絅大学研究紀要. 第22号. 23-37 (1999)
-
[Publications] 安倍 素子: "『うつほ物語』の「絵解」について(三)"尚絅大学研究紀要. 第23号. 9-24 (2000)
-
[Publications] 安倍 素子: "『無名草子』老尼考"国語と教育. 第24号. (2000)
-
[Publications] 春田 直紀: "「日本のはじまり」をめぐって"歴史評論. 第584号. 36-50 (1998)
-
[Publications] 鈴木 元: "「唐梅」考"国文研究. 第45号. (1999)
-
[Publications] 鈴木 元: "中世和歌の-環境"『和歌 解釈のパラダイム』. (1998)
-
[Publications] 鈴木 元: "和歌と連歌-火伏の口伝をめぐって-"国文学解釈と教材の研究. 第45巻第4号. (2000)
-
[Publications] 小川 剛生: "『国太暦』と北朝の重臣たち"『日記に中世を読む』. (1998)
-
[Publications] 小川 剛生: "南北朝期の二条家歌人と古今集説"明月記研究. 第3号. 228-242 (1998)
-
[Publications] 小川 剛生: "二条良基の歌論と連歌"国語と国文学. 第76巻第7号. 42-54 (1999)
-
[Publications] 小川 剛生: "南北朝期の和歌御会始について"和歌文学研究. 第78号. 35-49 (1999)
-
[Publications] 小川 剛生: "二条良基-有職学と古典研究"国文学解釈と鑑賞. 第6巻10号. 30-38 (1999)
-
[Publications] 坂口 至: "長崎県のことば"長明治書院. (1998)
-
[Publications] 鈴本 元: "『批評集成 源氏物語』第一巻近世前期篇"ゆまに書房. 493 (1999)
-
[Publications] 小川剛生 他: "歌論歌学集成 第十巻"三弥井書店. 457 (1999)
-
[Publications] 小川剛生 他: "国立歴史民俗博物館貴重典籍叢書 文学篇"臨川書店. 10 (2000)