2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10610431
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
三谷 邦明 横浜市立大学, 国際文化学部, 教授 (80145672)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 俊治 横浜市立大学, 国際文化学部, 教授 (10244485)
鈴木 正夫 横浜市立大学, 国際文化学部, 教授 (30002281)
今谷 明 横浜市立大学, 国際文化学部, 教授 (60111910)
小幡 敏行 横浜市立大学, 国際文化学部, 助教授 (10285158)
古川 隆久 横浜市立大学, 国際文化学部, 助教授 (70253028)
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Keywords | 画像メディア / 日中文化論 / 源氏物語絵巻 / 三遠 / 清代経学 / 浮世床 / 日中戦争 / 写真週報 |
Research Abstract |
本年度は予定通り各人の研究成果を以下のような内容で文章化し、研究成果報告書を作成した。 三谷邦明「源氏物語絵巻関屋巻と三遠」は、『源氏物語絵巻』は、中国絵画技法の三遠を採用しながら、絵巻形式の必然として、時間経過を描き、枠組みを破壊しながら、多視点的な世界を樹立していくという特性を持つことを関屋巻の分析から明らかにした。 加固理一郎は、陳伝席「郭熙和『林泉高致集』を翻訳した。陳論文は、三遠を含む山水画の11世紀の理論書『林泉高致集』を中国山水画の成熟を総括した書と意義づけている。 今谷明「中世日本人の外国人像をめぐって」は中世の日本人が外国人をどう描いたかを検討し、類型化はまだ見られず、多様な外国観があったことを明らかにした。 小幡敏行「清代経学史研究における画像メディアの活用について」は、1998年に中国で出版された『清代経学図鑑』が、清代の経学者の肖像画を掲載するなど、画像メディアの活用によって、経学の世界を身近に感じさせる意義があると評価した。 山田俊治「遠近法的視覚と小説表現」は、日本の近世後期の小説『浮世床』は、透視図法による口絵を掲載することで、読者に物語の日常性を示したことを明らかにした。 鈴木正夫「中国における日本人兵士の画像」は、日中戦争期に日本で書かれた戦争文学が中国で翻訳された際の挿絵が、加害者と被害者の相互理解の難しさを示していることを明らかにした。 古川隆久「『写真週報』にみる中国観」は、昭和期の日本政府の広報写真週刊誌『写真週報』の中国関係の写真報道を検討し、1940年前半までは政府の方針を視覚的に表現する試みがみられたことを明らかにした。
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