1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10610445
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
東 英寿 鹿児島大学, 法文学部, 助教授 (90218686)
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Keywords | 歐陽脩 / 北宋 / 古文復興 / 行巻 / 南宋本『欧陽文忠公集』 / 天理本 / 周必大 |
Research Abstract |
本年度は、三年の研究期間の二年目で、昨年収集した資料に基づき、更に調査を行い、また昨年の研究を発展させ考察を行った。 今年は、本研究の中心テーマである科挙と北宋の古文復興の関係について、「北宋初期における古文家と行巻ー科挙の事前運動より見た古文復興の展開についてー」と題して、日本中国学会報第51集に論文を発表した。これは、本研究テーマの骨格を支える論文であり、古文復興における行巻の役割という新しい視点を提出することができた。更に行巻に視点を据えて、「歐陽脩の行巻について」と題して論文を作成した。これも、北宋に於ける行巻と古文復興の関連を分析するものである。また、「歐陽脩の科挙改革と古文の復興について」の論文は、北宋の古文の復興と歐陽脩の科挙改革の関連に着目して考察したものである。 一方、版本調査としては、前年度に引き続き天理図書館に調査に赴き、南宋本『欧陽文忠公集』の調査を行った。さらに、宮内庁書陵部に所蔵されている南宋本の『欧陽文忠公集』のマイクロフィルムを入手し、台湾国立中央図書館所蔵の南宋本『欧陽文忠公集』の複写も入手して、これら版本を比較し考察を行った。その結果、南宋本は2系統存在し、天理本は周必大の原刻本ではなく、周綸の修訂本であることが明らかになった。その成果を本年度の3月29日から、中国上海復旦大学で開催される国際学会"宋代学術研討会"で発表する予定である。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 東 英寿: "北宋初期における古文家と行巻-科挙の事前運動より見た古文復興の展開について"日本中国学会報. 51. 47-61 (1999)
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[Publications] 東 英寿: "歐陽脩の行巻について-科挙の事前運動による胥偃との繋がりに着目して"鹿児島大学法文学部紀要人文学科論集. 50. 37-51 (1999)
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[Publications] 東 英寿: "歐陽脩の科挙改革と古文の復興について"鹿児島大学法文学部紀要人文学科論集. 51. 1-17 (2000)
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[Publications] 甲斐 勝二 東 英寿: "《金元文学批評史・緒論》(上)"福岡大学人文論叢. 31-2. 1391-1413 (1999)
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[Publications] 甲斐 勝二 東 英寿: "《金元文学批評史・緒論》訳注(下)"福岡大学人文論叢. 31-4(印刷中). (2000)