1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10610449
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
山田 義裕 北海道大学, 言語文化部, 助教授 (40200761)
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Keywords | 非対格の仮説 / 交替現象 / 非能格動詞 / 非対格動詞 / 項構造 / θ理論 / 語形成 / 語彙意味論 |
Research Abstract |
この科学研究費助成研究の研究題目である「語彙構造と統語構造の関係」を探る上で、今年度は特に英語及び日本語の自動詞にみられる「非対格性の交替」現象に焦点を当て研究を行った。 自動詞の類型に関する一般的仮説に「非対格の仮説」がある。この仮説の基本的考えは、自動詞は全て均質であるわけでなく、統語上laugh等に代表される非能格タイプとfreeze等の非対格タイプに分けられるというものである。自動詞は全てこれら2つのタイプのどちらかに分類されるが、非対格性の基準に照らし非能格タイプと分類されていた自動詞のなかに、ある環境におかれると非対格の特性を示すものがLevin&Rappaport Hovav(1995)等の研究により見つかっている。英語を例に具体的に述べると、非能格と分類されている自動詞のうち、ある意味タイプの動詞(動作の様態動詞(run,jump,etc.)や音放出の動詞(roa,rumble,etc)等)は場所の変化を示す句をとる場合に典型的非対格動詞の振る舞いを示す。これら一連の現象を「非対格性の交替現象」と名付け、英語と日本語について資料を収集・整理・分類した上で最近の生成文法の枠組みでこの現象の分析を試みた, 英語の非対格性の交替現象は、日本語の「・・・ていく」形が関わる交替現象徒る-走っていく)と共通の特性を持つことに注目し、英語の非対格性交替現象に日本語の「・・・ていく」に相当するゼロ動詞が関与する可能性を、Hale and Keyser(1993)が提唱する項構造分析の枠組みを用いて考察した,さらに、これらの動詞の交替現象に関する経験的研究が、Chomsky(1995)が提唱する句構造に対する極小主義(Minimalist Program)のアプローチであるBare Phrase Structure理論にどのような意味合いをもつかを研究しているところである。
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