1999 Fiscal Year Annual Research Report
英文学における環境文学批評の可能性-環境意識の形成と英文学の自然観
Project/Area Number |
10610454
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Research Institution | TOHOKU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
大友 義勝 東北大学, 言語文化部, 教授 (60007333)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
ロビンソン ピーター 東北大学, 文学部, 外国人教師
小澤 博 関西学院大学, 文化部, 教授 (70169291)
石幡 直樹 東北大学, 言語文化部, 助教授 (30125497)
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Keywords | 英文学 / 自然観 / 英国ロマン主義 / エコロジー / エコクリティシズム / 環境 |
Research Abstract |
本研究は次のように2年にわたって行われた。平成10年度は自然と環境を扱った文学・紀行・随筆・批評等関係図書を選定・購入して各自考察を加えつつ適宜意見の交換を行った。また、インターネットや印刷物などからの資料収集、記録、保存に必要な、ラップトップコンピュータなどの各種機器を選定し、購入した。また、平成11年度は、関係図書のみ追加購入し、前年同様の資料調査・考察を進めて行った。 それぞれの研究者は次のように研究を進めた。石幡は発案者として、従来のキーツや開高健の研究を継承して、ASLEの日米英ネイチャーライティングのアンソロジーの編集とRomanticEcologyの翻訳を進めつつ、英文学でのecocriticismの可能性全般を探った。特に論文「田部重治とワーズワス」では、18世紀末ロマン主義の自然の謳歌によって、緑なす美しき自然という近代的概念が成立するが、そのような自然観がロマン派詩人ワーズワスから英文学者・登山家である田部を通して、我が国に与えた影響を検証した。大友も長年取り組んできたワーズワスの「自然」について、『序曲』第4巻の翻訳を通して、ロマン主義的自然観と環境意識の成立を考察した。小澤はマイクロフィルム資料を駆使して古地図や解剖学を読解して自然科学と文学の影響関係を探り、そのような視点からの形而上詩人における自然観について考察した。ロビンソンは大学で教壇に立つ傍ら英国現代詩人の一人として活躍中だが創作者としての立場から東西の自然観の相違を比較検証しつつ環境問題全般を考察し、これまでの作品の中からエコロジーに関わりの深いものを自選し解説を付した。 また、石幡は台湾で本研究の成果の一部を発表する機会を得た。その際に、資料収集、報交換を行うこともできた。
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Research Products
(1 results)