1999 Fiscal Year Annual Research Report
出版に見るエリザベス朝演劇におけるイタリア受容に関する研究
Project/Area Number |
10610476
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Research Institution | Takushoku University |
Principal Investigator |
冨田 爽子 拓殖大学, 工学部, 教授 (30197925)
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Keywords | Italian / influence / books / Elizabethan / drama / translation / Fedele / Munday |
Research Abstract |
エリザベス朝演劇が、イタリア・ルネッサンスから受けた影響については、誰もが認めるところである。1558年から1603年の間に、イタリア語から英語に翻訳され、英国で出版された書物は約300冊ある。それらについてのデータ収集と分析を行うとともに、今年度は約40冊の初版本のpreliminariesにあたった。ところが、約300冊の翻訳のうち、戯曲はたった6作品しか訳されていない。6作品とは、George GascoigneのJocasta(1573)とSupposes(1573),Henry ChekeのFreewyl(1573?),George WhetstoneのPromos and Cassandra(1578),Anthony Munday の Fedele and Fortunio(1585)そしてJohn Dymokeが訳したといわれているIl Pastor Fido(1602)である。本研究は、なぜ戯曲の翻訳がこのように少ないのか、また、1,2の例外を除き、今まであまり省みられることのなかった、これらの作品の果たした役割を考える。エリザベス朝の劇作家が、出版活動を通して、イタリアの文化とどのような関わりあい方をしたかを探っている。今年度は、Anthony MundayのFedele and Fortunioに焦点を当て、原典であるイタリアのIl Fedeleの出版された状況との比較により、本作品が英国で出版されたことの意味をまとめた。
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Research Products
(1 results)