1999 Fiscal Year Annual Research Report
北アイルランド出身の小説家George A.Birminghamの再評価
Project/Area Number |
10610481
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Research Institution | Beppu University Junior College |
Principal Investigator |
八幡 雅彦 別府大学, 短期大学部・英語科, 助教授 (50166568)
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Keywords | プロテスタント / カトリック / ユニオニズム / ナショナリズム / 南北統一問題 / 融和への模索 / 北アイルランド小説 / 伝統と革新 |
Research Abstract |
1昨年に引き続き昨年も研究書出版(仮題『北アイルランド小説の可能性―「融和」への模索-、2002年出版予定)の準備に当ててきた。1998年の7月に国際アイルランド文学協会世界大会(アイルランド・リメリック大学)で口頭発表したジョージ・A・バーミンガムの作品The Northern Iron(1907)を論文の形で10月に同協会日本支部の紀要The Harpに発表した。また8月18日より9月1日までアイルランドを訪れ、ダブリンのトリニティー大学図書館と国立図書館でバーミンガム自身が書いた論文、手紙、雑誌新聞記事の収集に当たり、そしてダブリンの南の町デルガニーにある、バーミンガムがかって住んでいた牧師館と教会に行き現在の居住者から話を聞き、資料収集を行った。10月2日には、上記研究書で論じる予定の現代作家ロバート・マックリアム・ウィルソンのEureka Street(1996)について国際アイルランド文学協会日本支部大会で口頭研究発表を行った。その後、10月30日には、もうひとりの作家ブライアン・ムーアについて日本英文学会九州支部大会で口頭研究発表を行い、これについては今年の2月本学の紀要に論文発表した。その他の作家たち、リン・C・ドイル、シャン・F・ブロック、グレン・パタソン等については作品を読み続けてきた。現在はウィルソンについて、Eureka Streetにもうふたつの作品を加え、The Harpに論文発表するための準備を進めている。そして10月の国際アイルランド文学協会日本支部大会ではパタソンについて口頭研究発表の予定である。そして今年もできればバーミンガムに関する資料収集のためアイルランドに行きたいと思っている。 また科学研究費の一部を大分県アイルランド研究協会会報の印刷費、郵送費に当てさせていただいた。おかげで会報は5号まで発行することができ、定例会も会を追って参加者が増え、日本における他のアイルランド協会との交流も活発になっている。
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[Publications] Masahiko Yahata: "George A.Birmingham, The Northern Iron (1907) and the 1798 Rebellion"The Harp. IASIL-JAPAN Bulletin. XTV. 13-20 (1999)
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[Publications] 八幡雅彦: "ブライアン・ムーアの描く北アイルランド -カトリシズムとナショナリズムに対する見解を中心に-"