1998 Fiscal Year Annual Research Report
統語情報と意味・談話構造を統合する言語モデルの研究
Project/Area Number |
10610517
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
田窪 行則 九州大学, 文学部, 教授 (10154957)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三藤 博 大阪大学, 大学院・言語文化研究科, 助教授 (60181939)
坂原 茂 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (40153902)
郡司 隆男 大阪大学, 言語文化部, 教授 (10158892)
金水 敏 大阪大学, 文学部, 助教授 (70153260)
坂本 勉 九州大学, 文学部, 助教授 (10215650)
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Keywords | generation lexicon / 複合動詞 / 形式名詞 / 場所名詞 / 指示詞 / 談話管理理論 / メンタルスペース / gualia strunture |
Research Abstract |
本年度は、来年度以降の準備として、理論の整備、および基礎的データの収集、実験の準備を行った。それと並行して、語彙部門と統語部門とのインターフェイスを整備する作業を行った。具体的な作業としては、いわゆる形式名詞と分類される単語「こと、もの、ところ、など」に関して、網羅的な用例を収集し、それらの用例が、基本的な意味構造と統語的位置との相関で説明できることを示した。また、基本的な意味とその比喩的な拡張の仕方に法則性があること、その拡張と統語的性質に相関があることを示した。このうち「ところ」に関して、その基本的意味である「位置」の機能から、場所化、部分化、系列化、時系列、条件の帰結という機能がどのように導けるかをモデル化して示した。また、複合動詞の成立に関しても同様の手法で分析できることを示した。具体的例としては、「出す」の基本的な意味と複合動詞後項になった際の意味機能をgenerative lexiconの手法を使って説明した。さらに、統語計算に関わる特性と指示特性の関係を研究した。 これらの成果を日本言語学会、国際シンポジウム、などで発表した。また理論の整備に関する成果の一部(意味論と統語論のインターフェイス、談話と常識世界との関係)を概説書の形で出版した。これらの成果を心理実験の対象とすべく、実験デザインを作成した。
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[Publications] Sakamoto,T&Walanski,M.: "The proccssing of empty subject in English and Japanese" Syntax and Semantics. Vol.31-A. 95-111 (1998)
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[Publications] Gunji,Takao: "Review of Context and Binding in Japanese" Language. Vol.74,No.3. 617-620 (1998)
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[Publications] 田窪行則他: "岩波講座言語の科学7談話と文脈" 岩波書店, (1999)
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[Publications] 西光義弘編: "日英語対照による英語学概論増補版" くろしお出版, (1999)
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[Publications] 郡司隆男: "岩波講座言語の科学4意味" 岩波書店, 189 (1998)
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[Publications] 大津由紀雄他: "岩波講座言語の科学11言語科学と関連領域" 岩波書店, 221 (1998)
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[Publications] G.Green and R.Levine(eds): "Studis in Contimporary Phrase Struitue Grammer" Cambridge University Prein, (1999)