1998 Fiscal Year Annual Research Report
ギリシア・ローマ文学における叙述技法の解明を基礎とする作品論研究
Project/Area Number |
10610536
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
大芝 芳弘 東京都立大学, 人文学部, 助教授 (70185247)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐野 好則 東京都立大学, 人文学部, 助教授 (50295458)
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Keywords | 西洋古典学 / ギリシア文学 / ローマ文学 / 叙述技法 / レトリック |
Research Abstract |
今年度は本研究の第一年度にあたり、ギリシア・ローマ文学に見出される叙述技法に関する従来の諸研究を概観することと、主要な研究対象となる作品および叙述技法を検討することが中心的な作業であった。まず、従来の研究を概観するための資料となる文献の収集を行った。本研究に関連する文献のうち購入可能なものを選定し、科学研究費補助金により購入した。さらに、他の研究機関に所蔵されている関連文献を調査し、必要な文献資料の複写を行った。今年度科学研究費補助金の一部は文献調査のための国内旅行に用いられた。以上の文献資料のうち個々の叙述技法に関するものを検討し、従来の研究の進展状況を把握した。次にこの概観に基づいて、本研究において特に注目すべき叙述技法を検討した。以上の作業と並行して、叙述技法の解明を基礎とする作品論研究に適したギリシア・ローマ文学の具体的な作品を選定するための作業を行った。具体的には、叙事詩、杼情詩、演劇など様々なジャンルにおける主要作品について、叙述技法の観点から検討し、個々の作品の特徴を考察した。さらに、それらの作品について、今年度収集した文献資料および当研究機関が従来より所蔵していた文献資料のうち、注釈書および個別作品に関する研究書・研究論文を検討して、作品論研究を行う際に特に叙述技法に注目することが有効な作品を選定し、それらの作品を次年度以降研究の主たる対象とすることとした。以上のように、本研究において主に取り上げる叙述技法および具体的な作品を確定するに伴い、次年度以降新たな文献資料が必要となるため、購入可能な文献資料の選定および他の研究機関が所蔵する関連文献の調査を進めた。
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