1998 Fiscal Year Annual Research Report
近現代英米における法的諸概念の変遷とその邦訳語:新英和法律語辞典の完成を目指して
Project/Area Number |
10620002
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
小山 貞夫 東北大学, 法学部, 教授 (30005764)
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Keywords | 法律言語 / 法概念の変遷 / 英米法 / 英和法律語辞典 / 翻訳語 / W.ブラックストン |
Research Abstract |
本年度は、本研究成果として公表予定の辞典の全体の構想、とりわけ採り上げる語彙の選定及びその説明文の範囲を確定することに多くのエネルギーを割いた。現時点の考えでは、(1)語彙は厳密な法律専門語彙に限定せず、日常語・文学上用いられる法に関する俗語をも加えること、(2)説明はできる限り簡明を旨とし、訳語の方に説明をも含ませる努力をすること、(3)さらに従来の英米法辞典には全く試みられなかった熟語及び連語(collocation)をも多く加えることにした。その意味では、本成果は、法律家専門家向きの英米法辞典というよりは、むしろ一般の人をも対象にした英和法律辞典であることを狙っているが、法律専門家にも十分納得して使用に耐えうるものにしたいと考えている。 基本方針を上記のごとく確定したので、試行錯誤的にIから実際に辞典の原稿作りに入っている。その過程で、現在まで日本で公刊されている多くの英米法律語辞典・英和辞典を、英米の法律辞典・英語辞典と比較参照しているが、最初期の辞典作成者の誤解・誤訳がそのまま現在の辞典にまで持ちこされているものが意外に多い事実を含め、従来の辞典類に多くの欠陥があることが判明した。 試みに始めたIの原稿を一応終えた今、本研究費申請段階では気付かなかった多くの問題があることが判明し、果たして当初の予定の4年間で研究が完結するか、早くも疑問になって来ているが、次年度は、今年度のIに続きM辺りで、いま一つ試行錯誤を繰り返し、その後アルファベット順に完成原稿執筆に移行したいと思っている。
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