1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10620025
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Research Institution | Tokyo Metropolitan College |
Principal Investigator |
竹森 正孝 東京都立短期大学, 教授 (90111062)
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Keywords | 立憲主義 / 憲法裁判 / 体制転換 / 権力分立 / 大統領 |
Research Abstract |
<文献・資料について> ロシアの憲法裁判所の判決、憲法裁に関する憲法学を始めとする法学研究の文献、アメリカとドイツの憲法裁判に関する文献の収集につとめ、併せて、わが国の憲法訴訟理論についても、必要に応じて文献の収集・整理をした。また、1991年の憲法裁判所設置にいたる立法過程、93年憲法制定過程における憲法裁に関する議論状況を検討すべく、連邦議会の両院の議事録を人手した。 <研究内容について> ロシアの憲法裁判所は1991年に発足するが、その活動のうち、93年憲法制定後のトゥマーノフ・コートとパグライ・コートを中心に、その判決を分野別・問題別に整理する作業を行ない、その傾向を分析した。そのなかで、ロシアの立憲主義の確立過程における連邦中央、とりわけ大統領権力が、西欧志向または国際的圧力と関係から、連邦構成主体の自立性の制約を求め、自立性を期待する地方自治体と「提携」していく過程に象徴される政治的現実に、憲法裁判所もまた判決をとおして連携していく現状が浮び上がってきた。憲法秩序擁護的傾向を強くする現代の憲法裁判の特徴は、こうしてロシアにおいても確認することができるのである。 また、憲法裁判に関する国際的な状況を把握すべく、アメリカとドイツの憲法訴訟に関する検討を行なった。 憲法裁判所に関する法律の制定過程の検討を本年度の課題としていたが、これは次年度に持ち越された。
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