1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10620033
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
高橋 宏志 東京大学, 大学院・法学政治学研究科, 教授 (40009832)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
道垣内 正人 東京大学, 大学院・法学政治学研究科, 教授 (70114577)
伊藤 眞充 東京大学, 大学院・法学政治学研究科, 教授 (50009809)
柏木 昇 東京大学, 大学院・法学政治学研究科, 教授 (20251431)
青山 善充 東京大学, 大学院・法学政治学研究科, 教授 (70009801)
|
Keywords | 倒産法 / 破産法 / 会社更生法 / 企業再建 / 債務者更生 / 消費者破産 |
Research Abstract |
法制審議会倒産法部会は、平成9年12月に「倒産法制に関する改正検討事項」を公表したため、それを受けて立法論研究をテンポを早めて行なっている。外国法制としては、アメリカ倒産法、ドイツ新倒産法、フランス倒産法、イギリス倒産法の知見は大学院の授業を兼ねて既に行なってきたところであるが、最近の動きを内外の文献で補充した(大阪大学助手の水元宏典氏その他の協力を受けた)。また、国際民商事法センターが開催したアジアの倒産法のシンポジウムにも参加し、韓国、中国、インドネシア、タイ、シンガポールの担保法と倒産法の関係にも知見を得た。しかし、立法問題は、いわゆるバブル経済崩壊による我が国の倒産法改正であるので、我が国の実務家・学者の意見のヒアリングを重視し予定を早めて実施した。既に、蓑田判事、森判事(ともに福岡地裁)、松尾翼弁護士、田原睦夫弁護士、松田安正弁護士、石川正弁護士、竹内康二弁護士その他の大阪、東京の弁護士、山本克己教授、松下淳一教授、山本弘教授、山本和彦助教授その他の京都、東京の学者からのヒアリングを実施し、我々研究グループの考え方との擦り合わせを行なった。その結果、抵当権の消滅手続を設けること、包括的権利実行停止制度を設けること、倒産申立てを促進するために債務者主導の倒産手続を設けること、再建計画に参加しない債権者の権利失権に踏み切ること、といった基本的制度設計につき考え方に大きな差異はないとの見通しを得るに至っている。上記法制審「改正検討事項」に言う新再建型手続の基本骨格については我々の構想はほぼ固まり、日本民事訴訟法学会の場を借りて近々シンポジウムを組む予定である(シンポジウム責任者、高橋宏志)。他方、個人債務者更生手続については平成10年度の研究はなお不十分であり、この面は11年度の課題として取り組む予定である。
|