知的財産権の刑法的保護

1998 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 10620055
• Research Institution: The University of Tokyo
• Principal Investigator: 山口 厚 東京大学, 大学院・法学政治学研究科, 教授 (10107493)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 佐伯 仁志 東京大学, 大学院・法学政治学研究科, 教授 (10134438) ; 井上 正仁 東京大学, 大学院・法学政治学研究科, 教授 (30009831) ; 西田 典之 東京大学, 大学院・法学政治学研究科, 教授 (90012509)
• Keywords: 知的財産権 / 特許権 / 不正競争防止法 / 営業秘密

Research Abstract

1 今年度は、内外の関連文献の収集、インターネットを介した情報収集、さらには通商産業省、特許庁、裁判所等関係機関からの情報収集等により、知的財産権侵害の実状を相当程度具体的に把握することができた。こうした過程で収集された、わが国で実際に問題になっている事例については、研究会等において分担して検討することにより、解釈論的観点からの分析をもかなりの程度進めている。この作業と並行して、主要諸外国における規制の実状についても、ある程度まで調査を進めることができた。 これにより、問題点をかなりの程度まで絞り込んでいる。具体的な検討領域としては、特許権侵害に対する刑事罰による保護、営業秘密に対する刑事罰による保護が、現在、早急に検討を要する問題となっており、とくにこれらの問題点について集中した検討を加えた。それにより、規制のあるべき姿について、かなりの程度まで議論を進めることができた。
2 こうした研究成果に基づき、研究代表者である山口は、特許庁工業所有権審議会企画小委員会委員として特許法改正の審議に参加して、刑事罰の強化に関する意見を述べたほか、さらに通商産業省産業政策局知的財産政策室が開催している営業秘密の保護に関する研究会にも参加し、営業秘密の刑事罰による保護のあり方について意見を述べた。