2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10620062
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
石井 明 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (10012460)
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Keywords | 日台断交 / 田中角栄 / 西安事変 |
Research Abstract |
戦後日中関係に関する文献のリサーチを通じ、戦後日中関係史の研究を進めた。特に、台湾の中国国民党中央委員会党史委員会所蔵の文書を収集し、日本と台湾の関係の研究を進め、1972年9月の日台断交のプロセスについてはかなり解明することができた。すなわち、当時の自民党副総裁椎名悦三郎が、日本政府の中華人民共和国との国交回復の方針を伝えるために訪台した際の活動についてはこれまで十分に検討されてこなかったが、携帯した田中角栄首相の親書の内容、そしてその台湾での扱われ方等、新たな知見を得ることができた。。こうした文献を通じた研究に加え、今年度も資料収集を兼ね、以下の通り、西安、北京で開かれたシンポジウムに出席した。 2000年8月上旬の、陜西省西安市での西北大学西安事変研究センター主催の西安事変実証研究国際シンポジウムでは「当時の日本の新聞報道から見た西安事変」と題して報告した。ただ、1937年12月12日の事変勃発の翌日以降の日本の新聞雑誌の報道ぶりについては先行研究があり、1936年夏より事変勃発時までの間、日本の新聞がどのように中国情勢を報じていたのかを中心に検討を加えた。 2000年8月下旬の北京での中華日本学会主催の、21世紀の日中関係に関するシンウムでは「日中関係と人的交流」と題して報告した。こうしたシンポジウムに出席した際中国の、日中関係史に関心を持つ研究者と意見交換することができ、様々な新知見を得ることができた。
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Research Products
(1 results)