1999 Fiscal Year Annual Research Report
第二次大戦・冷戦の二重の戦後処理に関する基礎的研究-日本外交と米・中・ソ(ロ)-
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10620068
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
岩田 賢司 広島大学, 総合科学部, 教授 (00151738)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村田 晃嗣 広島大学, 総合科学部, 助教授 (10284126)
小池 聖一 広島大学, 総合科学部, 助教授 (70274024)
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Keywords | 二重の戦後処理 / 第二次大戦敗戦処理 / 冷戦勝利処理 / 日本の単独行動 / 日米安保再確認 / 日露領土問題 / 日中歴史和解問題 / 日米沖縄基地問題 |
Research Abstract |
平成11年度は最終年度であり、調査及び資料分析等を継続しつつ論文を作成し、研究成果報告書(冊子)として学術振興会に提出するなど、次の多くの成果を得た。 1.研究代表者(岩田)が研究の発展についてレビューを受け意見を交換するため米国に出張した。本研究課題の二重の戦後処理は、当初想定した日本外交と米・中・露というような抽象的な枠組みの中での日本の単独行動によってではなく、むしろ日米同盟の再確認と対ロシア関係、同じく日米同盟の再確認と対中国関係という現実的な枠組みの中で進展するとの着想を得、研究をまとめる上で大きな成果を得た。(以上外国出張による成果)。 2.インタビュー等を行い、二重の戦後処理の事例としての日米沖縄基地問題では、米国の対北朝鮮政策に関する論文の発表という研究成果を得た(村田担当)。また同じく事例としての日露の北方領土問題では、日露国境問題における国境概念の変容に関する論文、さらに北方領土問題の背景として、ロシアの対NATO政策が東アジア政策に及ぼす影響に関する論文の発表という研究成果を得た(岩田担当)。(以上国内出張等による成果)。 3.日露関係については、上記発表論文を基に資料の分析を加えた論文(冊子第3章)発表の成果を得た(岩田担当)。日米関係については、数年に渡る研究の成果ではあるが日米同盟・沖縄と冷戦にも関わる単著刊行の成果を得、さらに論文(冊子第5章)発表の成果を得た(村田担当)。日中関係の事例では、日本外交記録(マイクロフィルム)等の資料を整理し、その他の文献を含む読解と分析により戦前期日中関係、さらに戦後日中の歴史和解問題に関する論文(冊子第4章)発表の成果を得た(小池担当)。(以上資料整理分析等による成果)。 これらを基に研究成果報告書(冊子)を作成し、日本学術振興会に提出する成果を得た(岩田担当)。
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Research Products
(11 results)
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[Publications] 岩田賢司: "ロシアのコソボ紛争における対NATO政策-バルカンにおけるロシア国益の観点から-"ロシアの外交(平成11年度) 財団法人日本国際問題研究所. 189 (2000(3月))
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[Publications] 岩田賢司: "日露国境問題における国境概念の変容-変容要因としての日米同盟からの考察-"境界概念を巡る学際的研究 総合科学研究会(広島大学総合科学部寄付)発行. 83-90 (2000(3月))
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[Publications] 岩田賢司: "第二次大戦・冷戦の二重の戦後処理における日露領土問題-日本のユーラシア外交の新機軸と限界-"第二次大戦・冷戦の二重の戦後処理に関する基礎的研究 平成10年度〜平成11年度科学研究費補助金研究成果報告書. 8-23 (2000(3月))
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[Publications] 小池聖一: "第一次世界大戦後期、日本の対中国政策"五四運動八十周年学術研討会論文集 国立政治大学文学院発行(台湾). 93-109 (1999)
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[Publications] 小池聖一: "二重の戦後処理日中歴史和解の前提・歴史学者の現状分析-社会主義体制崩壊とポスト冷戦を一例に-"第二次大戦・冷戦の二重の戦後処理に関する基礎的研究 平成10年度〜平成11年度科学研究費補助金研究成果報告書. 24-45 (2000(3月))
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[Publications] Murata, K.: "The Origins and the Evolution of the Korean-American Alliance: A Japanese Perspective (discussion paper for the research project)"America'S Alliances with Japan and Korea in a Changing Northeast Asia, (Asia/Pacific Research Center, Stanford University). 3-33 (1998)
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[Publications] 村田晃嗣: "在沖縄米海兵隊削減の可能性"平和研究 日本平和学会発行. 第23巻. 25-34 (1998)
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[Publications] 村田晃嗣: "米国の対北朝鮮政策とペリー報告-「対話」と「抑止」の狭間で-"国際問題 財団法人日本国際問題研究所. 第479号. 30-43 (2000(2月))
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[Publications] 村田晃嗣: "二重の戦後処理-日米関係における沖縄-"第二次大戦・冷戦の二重の戦後処理に関する基礎的研究 平成10年度〜平成11年度科学研究費補助金研究成果報告書. 46-64 (2000(3月))
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[Publications] 村田晃嗣: "大統領の挫折-カーター政権の在韓米軍撤退政策"有斐閣. 320 (1998)
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[Publications] 村田晃嗣: "米国初代国防長官フォレスタルー 冷戦の闘士はなぜ自殺したのか"中央公論新社. 232 (1999)