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1998 Fiscal Year Annual Research Report

チリ軍の政治化と民主主義の崩壊(1964〜1973年)

Research Project

Project/Area Number 10620079
Research InstitutionInternational Christian University

Principal Investigator

大串 和雄  国際基督教大学, 教養学部, 教授 (90211101)

Keywordsラテンアメリカ / チリ / 政軍関係 / クーデター / 文民統制 / アジェンデ
Research Abstract

今年度は、補助金交付の内定時期がずれ込んだこともあって、資料を揃えるなど基礎的作業が中心になった。
まだ決定的な結論とは言いがたいが、今年度の研究である程度明らかになってきた事実を以下に述べる。
1970年代までチリではラテンアメリカで例外的に民主主義が機能しており、そのことをチリ国民は誇りにしてきた。文民統制に服するチリ軍の伝統はかなり根強いものであった。チリ軍の将校のほとんどはアジェンデ政権を嫌悪しており、アジェンデ政権の下で政治・経済が極度に混乱したのだが、それにも拘わらずクーデターに踏み切ることは軍にとって容易ではなかった。特に総司令官のプラッツ将軍が政権に協力的であった陸軍では、クーデターを起こすには文民統制の伝統に加えて軍内の階統制尊重の伝統をも破らなければならなかったのである。
このことから、クーデターを回避する可能性は常に残されていたと言える。おそらく最終的にクーデターが不可避になったと言えるのは、下院が事実上クーデターを促すような声明を採択し、プラッツ将軍が陸軍総司令官の職を辞任した時期、すなわちクーデターの3週間ほど前であっただろう。それ以後はクーデターの準備が急速に展開していった。
なお、最近になっていくつか文民政治家の回想録が刊行されているが、その分析は来年度の課題である。

URL: 

Published: 1999-12-11   Modified: 2016-04-21  

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