1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10630003
|
Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
金子 守 筑波大学, 社会工学系, 教授 (40114061)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松井 彰彦 東京大学, 経済学部, 助教授 (30272165)
|
Keywords | 個人経験 / 社会観 / ナッシュ均衡 / 差別 / 偏見 |
Research Abstract |
今年度は本研究プロジェクトの第1年度にあり、本プロジェクトの基礎研究にあたる部分を集中的に研究した。特に、個人の社会観の形成に関して、研究の進展があり、個人が形成する社会観と個人の経験との間の相互関係に関する理論の中心部分が構成できた。この研究は、発表論文“Inductive Game Theory:Discrimination and Prejudices"(Journal ofPublic Economic Theory)にまとめた。具体的には、差別行動が見られる社会において、個人の経験に基づいて、社会観を形成する場合、人間の好みに基づいて説明することが容易に考えられる。この経験の合理化によって造られる社会観が最も形成されやすいことが議論され、これが偏見の原因になることが示された。 さらに、個人の社会観形成の理論をより発展させるための基礎として、game logicを使って研究し、それを論文“Epistemic Consideration of Decision Making in Games"(toappear in Mathematical Social Sciences)にまとめた。この論文において、ある種のゲームを完全な形で解くには、ゲームの構造(利得関数)およびプレイヤー達の意思決定の様式がプレイヤー間で共通認識(common Knowledge)となる必要があることを議論した。 他の種のゲームにおいては、プレイヤー間のコミュニケーションなしでは、意思決定ができないことが示された。 平成11年度は、以上の発展に基づいて、個人の経験と社会観の理論をより発展させたい。
|
Research Products
(4 results)
-
[Publications] Mamoru Kaneko: "Common Knowledge Logic and Game Logic." Journal of Symbolic Logic. to appear.
-
[Publications] Mamoru Kaneko: "Epistemic Considerations of Decision Making in Games." Mathematical Social Sciences. to appear.
-
[Publications] Mamoru Kaneko: "Utility Theories in Cooperative Games." Handbook of Utility Theory. to appear.
-
[Publications] Mamoru Kaneko: "Inductive Game Theory:Discrimination and Prejudices." Journal of Public Economic Theory. Vol.1・No.1. 101-137 (1999)