• Search Research Projects
  • Search Researchers
  • How to Use
  1. Back to project page

1999 Fiscal Year Annual Research Report

狭義銀行制度の効率性についての理論的考察

Research Project

Project/Area Number 10630007
Research InstitutionOsaka University

Principal Investigator

前多 康男  大阪大学, 大学院・経済学研究科, 助教授 (60229317)

Keywords狭義銀行制度 / 効率性
Research Abstract

本年度は,昨年度に引続き,わが国の銀行に関する資料を集めると同時に,狭義銀行制度の理論モデルの構築を行った.現行の部分準備を基本とした銀行制度では,銀行のバランスシートにおける資産側と負債側の流動性が合っていないため,各銀行に内在的な不安定性が存在するのであるが,最近は,情報技術革新に伴い,金融機関がネットワークを構成するようになると,金融システム全体の安定性が議論の中心になってきている.銀行が破綻したときに,普通の会社に適用される破産法等を適用できない理由として,銀行の公共性が一般に指摘される.特に,銀行のネットワークが決済システムとして機能しており,情報技術の高度化も手伝い,多額の資金が一瞬のうちに移動している状態では,1つの銀行の破綻が決済システム全体を破壊させてしまう危険性も否定できない.決済システムは経済における公共財と考えることができるので,決済システムが破壊する危険性があるときは,公的な介入および規制も正当化されることになる.しかし,どのような形の公的介入および規制が望ましいかという議論については,我々のコンセンサスは,まったく得られていないのが現状である.このような現状を踏まえてモデル分析を行うために,モデルの基本部分を構築した.預金保険により預金が保護されることによって,預金者による銀行の取り付けを防止することができるが,預金が保護されていると,預金者は銀行のリスクに対して反応しなし.このことが,銀行がリスクテイキングになるというモラルハザードの問題を引き起こすことになる.そして,この問題を回避するために,バランスシート規制や早期是正措置等の規制や公的介入が必要となる.このように1つの規制が他の規制を必要とする状態に陥ると,これらセーフティーネット全体の維持費用が多額になる可能性がある.

  • Research Products

    (1 results)

All Other

All Publications (1 results)

  • [Publications] 前多 康男: "狭義銀行制度の効率性について"「現代の金融と政策」(小佐野広・本多佑三 編)日本評論社. 247-271 (2000)

URL: 

Published: 2001-10-23   Modified: 2016-04-21  

Information User Guide FAQ News Terms of Use Attribution of KAKENHI

Powered by NII kakenhi