1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10630012
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
細江 守紀 九州大学, 経済学部, 教授 (20140832)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三浦 功 九州大学, 経済学部, 助教授 (30239173)
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Keywords | 公正取引委員会 / 法と経済学 / カルテル抑止メカニズム |
Research Abstract |
平成10年6月より月1回ペースで「独占禁止法の理論研究会」を九州大学で行った。参加者は研究代表の細江と分担者の三浦に加えて、長崎大学の楠田康之氏および下関市立大学の佐藤隆氏が常時参加した。まず、カルテル形成に関する文献をサーベイし、寡占市場におけるカルテル形成と独禁法政策に関するモデル設定に細江は着手した。また、三浦は政府調達における談合問題に着手し、公共入札の制度的実態を検討した。この検討の結果、三浦は公共入札に関する事前公表に関するモデルを構築した。8月にはインディアナ大学のラスムセン教授を招聘し、カルテル抑止モデルおよび公共入札における談合抑止モデルに関するレビューを受けた。一方、7月より公正取引委員会の組織と運用に関する研究に取り組み、業界-関連省庁-公正取引委員会の三層モデル構築に細江は取り組んだ。10月に独禁法研究会において細江は三層モデルを報告した。12月に公正取引委員会福岡支部での研究会に三浦と細江は参加規制システムのあり方を巡って参加者との議論を行った。平成11年2月に細江は規制の三層モデルの論文を一橋大学の公共経済学ワークショップで報告した。なお、1月と2月において学生を雇いあげ、文献整理とモデル分析の解析補助を行わせた。また、2月と3月に公正取引委員会関係者より組織、法律運用の詳細について質問を行った。この結果、違反事件に関する審判プロセスのモデル化が可能となった。三浦は2月末九州大学で行われた「法と経済学」シンポジウムで「公共入札における談合とその抑止」に関する報告を行った。
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