1998 Fiscal Year Annual Research Report
外国語習得者の労働市場における優位性に関する実証分析
Project/Area Number |
10630040
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
松繁 寿和 大阪大学, 国際公共政策研究科, 助教授 (50219424)
|
Keywords | 言語能力 / 収益率 / 人的資本 / 稼得関数 / 仕事キャリア / 大卒ホワイトカラー / 女性労働力 / 離職 |
Research Abstract |
今年度は、当初の計画通り大阪大学卒業生を対象に行った言語能力と稼得能力および仕事のキャリアに関するアンケート調査をデータベース化する作業が進められた。 まず、大阪大学経済学部同窓会の協力を得て卒業生全員を対象に行われたアンケート調査(配布数約6500、回収率約20%)を入力し、統計ソフトで解析できる形で記憶した後、基礎的な統計分析を行なった。分析が可能な約1200サンプルを単純集計した後、重要な変数の分布および変数間の相関を測り、英語能力と所得の間に強い関係があることを確認した。さらに、重回帰分析を行い、十分なレベルの会話能力を収得すると平均して年間所得が10〜20%上昇することを発見した。また、副次的な作業として、卒業生の標準的キャリアとその分布を図式化した。 一方、経済学部以外で卒業生の所在を把握できる幾つかの学部同窓会の了解を得、送付先を入力し調査の配付先リストを作成した。その後、各学部卒業生の特徴が十分反映され、かつ、先に行われた経済学部卒業生を対象とした調査との比較が可能となるようにアンケート内容を再検討し、理科系卒業生に関しては職務の内容に関する項目の変更、文学部卒業生に関しては女性の就業状況が把握できるようにな項目の追加が行われた。それらのアンケートは、郵送により配布回収された。回収率は約20%であった。これらのサンプルに関しては、幾つかの変数を分析が可能な形に数値化しながら入カ作業が進むように準備を行った。 さらに、卒業生を受け入れる側の状況を把握するために、民間企業および就職対象となる諸団体の採用および人事政策に関する調査も同時に進められた。
|