1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10630045
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
源河 朝典 岡山大学, 経済学部, 教授 (90033323)
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Keywords | ロシア極東 / 体制転換 / 市場経済化 / 私有化 / 沿海地方 / ハバロフスク地方 / サハリン洲 / 経済開発 |
Research Abstract |
ロシアにおける市場経済の形成過程とロシア経済の世界経済への統合過程をロシア極東に即して調査研究することが本研究の目的である。その調査研究の課題は次の三つである。(1)ロシア極東地域開発政策における開発ガイドライン、開発資金源泉、開発実施主体、開発方法とプログラム策定手法などの調査研究、(2)ロシア極東地域統計の収集と統計制度の調査、(3)ロシア極東の市場経済化と経済開発の可能性の比較論的考察。今年度は、ロシア政府策定の極東経済開発政策を実証的に分析する作業の一環として、次の諸項目についてロシア極東行政単位間経済統計比較を中心に研究をすすめた。 I. 人口動態諸指標 総人口、性別年齢別人口構成、出生率・死亡率・自然増加率、幼児死亡率、地域間転出入など II. 市場経済形成の諸指標 国有資産私有化、所有形態別企業構成、地域内総生産、工業生産高、軍需生産から民需生産への転換、投資・投資源泉、所有形態別住宅建設、畜産、輸送、小売商品販売高、所有形態別商品取引高比較、証券取引所、外国貿易、合弁企業など III. 生活水準諸指標 地方財政、税金滞納状況、セクター別賃金、月平均家計収支構造、賃金未払額、雇用など IV. 価格諸指標 消費者物価指数、卸売物価指数、セクター別価格、食料品価格、諸エネルギー価格、電力料金、消費者諸課税など ロシア極東の9行政単位の人口において沿海地方(30%)、ハバロフスク地方(21%)、アムール州(14%)、サハリン州(9%)で約4分の3を占める。これら4行政単位に伝統的に工業化は集積し、交通基盤は建設され、農業は立地してきた。しかし、極東でも開発後進地で自然条件がもっとも厳しく人口比で14%のサハ共和国(ヤクーチャ)が地域内総生産、生活水準で第一位であることを地域統計は示している。統計比較と開発におけるその含意をたずねることが次の課題である。
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Research Products
(1 results)