1998 Fiscal Year Annual Research Report
直接投資のOLIパラダイムの理論的拡張とマイクロデータによる実証分析
Project/Area Number |
10630054
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
竹森 俊平 慶應義塾大学, 経済学部, 教授 (30179676)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木村 福成 慶應義塾大学, 経済学部, 助教授 (90265918)
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Keywords | 直接投資 / ミクロデータ |
Research Abstract |
1998年の科研費研究は、研究計画に従い、日本企業の対外直接投資活動および、外資系企業の対日直接投資活動を計量研究するための、データ・セットの整備と、そのデータを利用したいくつかの実証研究とを行なった。近年の日本経済の動向には、対日直接投資にとってプラスな面と、マイナスな面の両方があると思われる。つまり、販売の低下につながる景気低迷そのものは対日直接投資にとってマイナスだが、地価やオフィス賃貸料の低下は、投資コストの低下につながるために、プラスの要因となる。全体としての効果を見るのが、本研究の一つの目的だが、現在準備中の論文、竹森俊平「対日直接投資の近況」(草稿)高崎経済大学 中野英夫と共著、では、サービスと金融の部門を中心に、比較的小規模の外資系対日直接投資が増加してきた現状が分析されている。だが、市場志向型の対日直接投資が増加してきた一方では、大市場とは離れた地方都市への外資系の融資は低迷している。外資系の誘致のための特別な政策をとっている地方都市(広島)でも、実績がゼロの場合があることがヒアリングにより確認された。また、木村は、直接投資に関するOLIフレームワークを基礎にして、海外における日系企業の行動を、ミクロ・データによって分析している。この研究では、山脇秀樹との共著による、"Manufacturing and Non-Manufacturing Activities by Japanese MNEs in Asia,Europe and North America."池2本の論文を完成した。最後になるが、本年度に完成したデータ・セットは次の通りである。「日本の対外直接投資企業に関する通産省統計の個票データの整理および一次分析」、「日本への対内直接投資企業に関する通産省統計の個票データの整理および一次分析」、「アメリカの対外・対内直接投資企業に関する米国商務省の公表データの整理」
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