1999 Fiscal Year Annual Research Report
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10630056
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| Research Institution | Tokai University |
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Principal Investigator |
川野辺 裕幸 東海大学, 政治経済学部, 教授 (60119667)
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| Keywords | 制度間競争 / 制度改革 / 公共選択論 / 新制度主義経済学 / 経路依存性 |
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| Research Abstract |
1.制度間競争における制度改革の原理と理念
(1)競争の概念を制度に導入する場合、情報の不完全性・非対称性、経路依存性等が重要な役割を果たす。
(2)実効性のある市場競争にとって重要な要件である。参入・退出は制度間競争にとっても重要であり、そのコストを低減させる方策が制度の柔軟性を実現する要因である。具体的には、官僚任用の流動化・政治的任命、政府業務のアウトソーシング(PFI)と競争入札等。
(3)参入・退出のできない制度では、各主体の機能の純化、主体間のチェック・アンド・バランス機能の強化が必要となる。
2.金融政策の制度改革と地方分権改革に注目したOECD諸国の制度改革のサーベイ
(1)金融政策における制度改革
・中央銀行の機能の物価安定への純化、政策目標の明示、中央銀行の独立性の向上が金融政策における制度改革の中心となる。
・物価安定機能における政策目標の明示と政策決定プロセスの公表が中央銀行のクレディビリティーを高める。
・中央銀行の独立性は人事、意思決定プロセス、政策手段等に加えて、透明性やアカウンタビリティーが必要である。
・政策目標の選択とそのときどきの政策決定の決定手続きの透明性に加えて、政策決定の公表によって外部の検査と評価が受けやすいことがアカウンタビリティーを維持する条件である。
(2)地方分権における制度改革
・地方政府が制度間競争を担う主体となる前提として、中央政府から地方政府への財源・権限の移譲が必要である。
・財源移譲については、所得税の累進部分、法人税等の基幹税の地域間財政調整機能を残しつつ、所得税の所得比例部分、法人事業税の外形標準課税、消費税の一部等を地方に移譲することが必要である。
貨幣によらない所得再分配や地方公共財、準公共財の供給が地方政府の機能であり、政府サービスをめぐる住民移動の条件は以前より整備されているし、政策情報の公開はIT革命により有効性を増す。
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[Publications] 川野辺裕幸: "自己統治:新しい制度設計の理念"改革者. 469. 6-9 (1999)
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[Publications] 川野辺裕幸: "中央銀行の独立性"改革者. 472. 6-9 (1999)
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[Publications] 川野辺裕幸: "地方分権これからの論点"改革者. 476. 6-9 (1999)
