1998 Fiscal Year Annual Research Report
インド進出における日本と韓国の相違に関するゲーム理論研究
Project/Area Number |
10630066
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Research Institution | Kyushu Kyoritsu University |
Principal Investigator |
水戸 康夫 九州共立大学, 経済学部, 講師 (30268784)
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Keywords | リスク愛好的 / 後発多国籍企業 / 誤ったF / S / 機会費用 |
Research Abstract |
水戸康夫(1998)は、対インド直接投資フローの受け入れ許可額、件数において、韓国企業が日本企業を追い抜いた理由について、ゲーム理論を用いることにより明らかにしようとした。 まず韓国企業とインド政府をプレイヤーとし、インド政府が外資誘致に積極的な政府であるという韓国企業の信念がαの時、同時手番ゲームを行うことによって、韓国企業の対インド投資を説明する。このゲートを成立している場合に、日本と韓国で信念αが同一という仮定のもとで、韓国企業は「進出する」、日本企業は「進出しない」を選択する理由について考察した。韓国企業が非合理的な場合、限定された合理性を持つ場合、日本企業が非合理的な場合、限定された合理性を持つ場合の計4ケースについて考察した。その際、韓国企業の進出に対して批判的な立場に立って分析した。つまり、後発多国籍企業である韓国企業はリスク愛好的な選択をするため、インド政府は外資誘致に消極的な政府であるにもかかわらず、「進出する」を選択すると見ている。 本論の特徴は直接投資の説明にリスク愛好的な選択を取り入れたことである。既存有力理論は、暗黙的にリスク中立的な行動を想定しており、そのため、日本企業の方が経営資源(もしくは優れた企業特殊的優位)を保有していると見られる状況において、韓国企業の「進出する」、日本企業の「進出しない」の説明は困難であった。この困難を解決するための方法の1つが、リスク愛好的な行動の導入である。
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Research Products
(1 results)