2000 Fiscal Year Annual Research Report
金融システムにおけるグローバル・スタンダードについての史的・制度的研究
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10630069
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
伊藤 正直 東京大学, 大学院・経済学研究科, 教授 (70107499)
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Keywords | グローバル・スタンダード / 金融システム / 金融制度 / 金融政策 / 金融機関 / 為替レート / 国際通貨制度 / 資本移動 |
Research Abstract |
本研究は、金融制度と国際通貨体制を直接の対象としつつ、第一に、現在語られている「グローバル・スタンダード」を歴史的射程のなかで捉え返すことを通じて、その歴史的性格や意義・限界を明らかにすること、第二に、「グローバル・スタンダード」への適合の仕方を比較史的に検討することを通じて、各国の対応の特質を解明することを課題とした。金融システムや金融制度それ自体についての検討は、これまで内外においてかなりの研究の蓄積があるが、「グローバル・スタンダード」そのものの歴史性の解明や、「グローバル・スタンダード」への適合の歴史的意義と限界についての検討は、ほとんど行われてこなかった。 本研究は、これを歴史的局面に即して、実証的に検討したもので、(1)戦後国際通貨体制の「グローバル・スタンダード」となったIMFの成立過程を、挫折したイギリス側のプラン、それもケインズ案そのものではなく、イギリス大蔵省やイングランド銀行の政策から分析する、(2)1970年代初頭のIMF体制の崩壊過程を、新しい「グローバル・スタンダード」の形成を巡る先進国間の対抗と協調のプロセスとして再把握する、(3)1980年代以降の、アメリカ、ヨーロッパ、アジアにおける金融危機の発生過程とその処理過程を分析する、(4)日本における1990年代の金融危機の発生とその後の処理過程において、「グローバル・スタンダード」への適合という政策が、どのような意義と問題点を内包していたのかを分析する、という4つの時期を対象にして、その特徴を明らかにした。
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[Publications] 伊藤正直: "沖縄返還と通貨交換"創価経営論集. 23巻2号. 127-142 (1998)
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[Publications] 伊藤正直: "「ブリッジ・バンク」と不動産流動化"金融構造研究. 第21号. 155-158 (1999)
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[Publications] 伊藤正直: "戦後IMF体制の構造転換"土地制度史学. 創立50周年記念、別冊. 216-225 (1999)
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[Publications] 伊藤正直 他 編著: "昭和財政史 昭和27〜48年度 国際金融・対外関係事項(1)"東洋経済新報社. 642 (1999)
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[Publications] 伊藤正直 他 編著: "金融危機と革新"日本経済評論社. 420 (2000)