1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10630081
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Research Institution | Musashi University |
Principal Investigator |
今井 勝人 武蔵大学, 経済学部, 教授 (10062853)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
芝村 篤樹 桃山学院大学, 経済学部, 教授 (10196438)
加来 祥男 九州大学, 経済学部, 教授 (30024988)
伊藤 繁 帯広畜産大学, 畜産学部, 教授 (00003145)
馬場 哲 東京大学, 大学院・経済学研究科, 教授 (40192710)
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Keywords | 都市人口 / 中枢管理機能 / 商業人口比率 / 家賃・地代 / 自治体合併 / 都市計画 / 都市政策 / 食糧政策 |
Research Abstract |
研究成果は別に取りまとめられるが、その概要は以下のとおりである。「日本近代都市史の時期区分」(芝村篤樹)は都市経済、都市社会資本、都市地域構造、都市生活・意識、都市行政・政治システムという5つの指標をもとに、近代大阪を対象に都市史の時期区分を検討し、1920,30年代が大きな転換期であったことを明らかにした。「戦前期都市の中枢管理機能と人口規模」(伊藤繁)は第1次大戦期までの都市人口の急速な増加の過程は人口増加が企業の集積を促したこと、それに対し戦間期はとくに大都市において集積の経済がより強く作用し始めて、それが大都市の人口増加をもたらしたことを明らかにした。「昭和5年東京市の住宅」(今井勝人)は昭和5年の東京市全体の住宅状況を明かにするとともに、家賃や地代などにおける15区間の相違は、その区の商業人口比率の高低に依存するところが大きかったとしている。「ドイツにおける自治体合併政策の展開(1871-1930年)(馬場哲)は、大都市の人口増大に伴う都市問題解決のための都市政策として自治体合併が当該期のドイツで重要になったこと、この政策は中心的大都市の都市計画の重要な前提条件ともなったこと、そして行政区域の変更を伴う自治体合併は関係自治体だけでなくラントの利害とも関わっていたが、次第にラントのイニシアティブが増大したことを明らかにしている。「第1次世界大戦前半期ドイツにおける食糧政策・食糧統制」(加来祥男)は、戦争が短期間に終了すると考えられていたから、ベルリンの食料政策は場当たり的なものであったこと、政策実施過程でライヒ・ラント・地方自治体の関係や地方自治体相互間の関係にも変化が生じたこと、市場機構の存在を前提としてそれを規制する最高価格の設定に始まり、次第に直接的な統制に変化していったこと、まず穀物が規制対象となったが、その後、食料品全般へ拡大していったことを明らかにした。
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[Publications] 馬場 哲: "地域工業化と工業都市の誕生-北西ドイツ・ラ・ヴェンスベルク地方と都市ビーレフェルトの事例研究-(1)、(2)"『経済学論集』(東京大学). 64・4. 2-29 (1999)
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[Publications] 芝村篤樹: "都市の近代・大阪の20世紀"思文閣出版. 214 (1999)
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[Publications] Sachio Kaku: "Managenent and Labour in German Chemical Companies before World War One, in R.L.Robertson ed.,Authority and Control in Hodern Industry"Routledge. 18 (1999)