1998 Fiscal Year Annual Research Report
損害保険産業組織のパネルデータによる計量分析・戦後保険システムの構造変化
Project/Area Number |
10630095
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Research Institution | Kyoto Sangyo University |
Principal Investigator |
米山 高生 京都産業大学, 経営学部, 教授 (00175019)
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Keywords | 損害保険 / 計量経済分析 / パネルデータ / 戦後日本 / 産業組織論 / 効率性 / 規模の経済 / 構造変化 |
Research Abstract |
本研究の基本的データとなるわが国損害保険企業のパネルデータベースを作成する作業を継続的に行った。データベース作成のための基本資料は、『インシュアランス、損害保険統計号』である。出来るだけ長期にデータをそろえるために、出版元からバックナンバーを購入したが欠号が多かったため、生命保険文化研究所付属図書館に所蔵のものを借り出して複写製本した。データベース入力は、パネルデータベースの構造の設計、入力ソフトの選定などした後に、研究補助者によって行った。その結果、30項目あまりのフィールドについて、25社(生命保険子会社を含まず)について、1951年から1997年まで入力をほぼ完了した。現在は、損害保険産業の計量経済モデル分析を行うために、入力ミスなどのチェックを行っている。 データベースの作成作業と並行して、一方で、戦後の損害保険産業組織の歴史的変遷についての基礎的研究も行った。とりわけ、われわれがこれまでに研究してきた戦後生命保険産業組織研究の成果と対比させながら、検討を行っている。とくに作成中のデータベースの一部により、簡単な記述統計分析が可能なので、それによって、来年度に行う予定の本格的な損害保険業の計量経済モデル分析の基礎的知識を豊富にするように努めている。 他方、本研究で採用すべき計量経済モデルの理論的検討も重ねている。損害保険パネルデータではないが、最新年度まで更新した生命保険パネルデータを利用して、計量分析モデルによる実証研究を行った。この経験は、来年度に損害保険業に関する計量経済分析を行なう際に、極めて有効であると考えている。
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