知識ベース製品開発:3D-CADモデルによる日本企業の実証分析

1999 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 10630107
• Research Institution: The University of Tokyo
• Principal Investigator: 馬場 靖憲 東京大学, 人工物工学研究センター, 教授 (80238229)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 桐山 孝司 東京大学, 人工物工学研究センター, 助教授 (10234402)
• Keywords: 知識ベース / デザイン環境 / デジタルコンテンツ / 製品開発 / コンピュータ支援 / ゲームソフト / アブダクション / クラスター

Research Abstract

工業製品における「知識ベース製品開発」は論理的分析を中心とする情報技術の戦略的利用によって接近可能になる。それを可能にする具体的な方策を示した。
一方、人間の感性に作用しなければならない製品開発の場合、情報技術の戦略利用は独創性のある製品を保証しない。そこで必要になるのは、異分野のスペシャリストに創造性を発揮させる「共創の場」である。それを出現させるために必要な組織・マネジメント・企業文化の条件を明らかにした。この場合、成功のための鍵は技術を超えた人間的要素にあり、人間の関係の築き方に対するノウハウは本研究の開始時に予測した以上に重要である。技術による情報伝達を選好し、その結果、立地を問わないかに見えたゲームソフト企業はさまざまな理由から特定の場に集積し、本研究が示した東京ゲームソフトクラスターを出現させている。このようなマクロ(産業クラスター)・レベルの場の構築が、人材供給、マーケット情報の交換、また専門コミュニティーの形成を通じて、ミクロ(組織)・レベルの共創を実現している事実の発見は本研究の最大の貢献と言えよう。
本研究の最終段階においては、以上に示した発見を補強するために、観察対象をインターネット・ビジネス企業として、本研究と同一の視点からの明らかにした一連の発見・仮説の妥当性をより一般的な形で提示することを予定している。

Research Products

• [Publications] 馬場靖憲: "東京ゲームクラスター:総合的考察"研究・技術・計画. (2000)
• [Publications] 馬場靖憲: "東京ゲームクラスター:企業の空間的集積"研究・技術・計画. Vol.14・No.4. (1999)
• [Publications] 馬場靖憲: "東大生ベンチャー提案からの仮説提案:ポスト工業社会の展望"ベンチェーズ・レビュー. Vol.1・No.1. 93-103 (1999)