1998 Fiscal Year Annual Research Report
ベンチャー企業家を支援するバーチャルネットワークコミュニティの分析と活用
Project/Area Number |
10630108
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
木嶋 恭一 東京工業大学, 大学院・社会理工学研究科, 教授 (10134826)
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Keywords | ベンチャー企業 / インターネット / 相互支援 / 仮想的ネットワーク組織 / アクションリサーチ |
Research Abstract |
本研究は、ベンチャー企業家が参加しインターネットに基づいて相互支援を行う仮想的ネットワーク組織(バーチャルネットワークコミュニティとよぷ)を研究対象とし、(1)そのようなバーチャルネットワークコミュニティの持つ起業促進のメカニズムを理論的立場から明確にすること、(2)事例研究に基づき、これを有効活用するためのマネジメントはどのようにすべきか、その処方簑を具体的に描くこと、を目的とした。 ベンチャー企業は、経済の活性化をもたらし労働人口の移動による産業構造の変革を容易にするとともに、個人に自己実現の場を与えることから、特に米国では以前から盛んである。しかし、わが国では資金援助・株式公開制度など多様な支援策がとられてはいるものの、起業自体は大きく進展しているとはいえない。本研究では、起業に真に必要なのは資金調達ノウハウを含めた企業家への知的支援ではないかと考え、特に、起業を促進する社会的基盤として、実際に起業中の人が相互の知識交換や専門家のアドバイスを容易に得られるような、企業家を支援するネットワークの重要性と有効性に注目した。 従来の企業家への知的支援の研究の多くが、大学における起業家育成教育や、ベンチャーキャピタルあるいはエンジェルによるベンチャー企業に対する経営管理指導に注目しているのに対して、本研究は、特に企業家が参加するインターネットに基づく支援のための仮想的ネットワーク組織に視点を絞り、その理論的・実証分析に基づき今後の有効活用の処方箋を描いた。具体的成果は次の通りである。(1)これまで米国での研究を踏まえて行ってきた予備調査を発展させると同時に、わが国の代表的なバーチャルネットワークコミュニティをインタビュー調査することにより、それらを特徴づける属性を明らかにした。(2)(1)で明らかにした属性を用いて,実際のわが国のバーチャルネットワークコミュニティを分類し位置づける枠組みを構築した。(3)同時に、インタビュー調査だけでなくアクションリサーチを精力的に行い、(1)(2)で構築した理論枠組みを検証した。 これらの研究成果は、学術雑誌及び書籍に公表した。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 木嶋恭一: "企業促進のための企業家ネットワーキング:ネットワークマネジメントとインターネットの活用" 経営情報学会誌. 6・3. 61-77 (1997)
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[Publications] Kyoichi Kijima: "Variety Engineering in the Competitive Enveronment of Japanese Distribution" Systems Research and Behavioral Science. 15. 4-14 (1998)
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[Publications] 木嶋恭一: "技術追求型プロジェクトの提案による発展途上国の技術開発戦略" 開発技術学会誌. 65-82 (1998)