1999 Fiscal Year Annual Research Report
ベンチャー・キャピタルの経営行動基準に関する国際比較
Project/Area Number |
10630120
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Research Institution | TOYO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
小椋 康宏 東洋大学, 経営学部, 教授 (40058144)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小嶌 正稔 東洋大学, 経営学部, 助教授 (40215257)
柿崎 洋一 東洋大学, 経営学部, 助教授 (40120331)
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Keywords | ベンチャー・キャピタル / ベンチャー企業 / 経営行動基準 / 投資基準 |
Research Abstract |
わが国企業社会におけるベンチャー・キャピタルへの期待は、新興企業向け証券市場の整備など、欧米に比較しても高い。しかしながら、個々のベンチャー・キャピタルの経営については、今後取り組むべき課題も多い。 本研究では、平成11年度にベンチャー・キャピタルの経営行動基準について調査を実施した。(対象企業数86社、回答数30社)なお、同時にベンチャー企業800社についても調査を実施。この調査からつぎの実態が明らかにされた。 (1)わが国のベンチャー・キャピタルは、スタートアップ期よりも急成長期のベンチャー企業への関心が高い。これはベンチャー・キャピタルをめぐる投資環境の整備だけでなく、ベンチャー・キャピタルの経営姿勢が影響している。 (2)ベンチャー・キャピタルの期待収益率を評価する尺度としては、経験によることが多い。この意味で、わが国ベンチャー・キャピタルの場合、明確な投資基準開発への取り組みが十分とはいえない。今後はベンチャー企業にとどまらず、経済社会における理論的支持を得るという意味でも、投資基準についての情報公開が重要である。 (3)大学への期待としては、ベンチャー基礎知識講座の充実が第1位となっている。つまり、ベンチャー・キャピタルの経営行動は、経験だけでなく、適切な知識に基づいた理論を指針として充実させることが重視される段階へと進みつつある。
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[Publications] 小椋康宏: "現代経営者論の財務論的接近-実践経営学の方法に依拠して-"森本三男編『実践経営の課題と経営教育』(学文社). 185-201 (1999)
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[Publications] 柿崎洋一: "企業間関係の経営教育的役割"森本三男編『実践経営の課題と経営教育』(学文社). 205-224 (1999)
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[Publications] 柿崎洋一: "ベンチャー企業の経営教育"小椋康宏編『経営教育』(学文社)発表予定. (2000)
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[Publications] 小嶌正稔: "フランスにおける石油製品流通機構-規制緩和と中小企業政策-"経営論集(東洋大学経営学部). 第51号. 1-20 (2000)